Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Diddy Wah Diddy

 ブリづくしデー。ブリのお刺身、お鍋にブリあら、蒸し野菜にブリ…ブリまたブリで旬をブリブリ堪能した。
 

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 ここ最近ファン・ジョンミン出演作をPrime videoで色々と鑑賞していた。
 いずれもどす黒い巨悪渦巻く「韓国ノワール」作品で、まぁとにかく血がよく流れる…というよりも吹き上がる。
 中でも個人的に特に面白かったのがこちらの3作品で、いずれも後味は悪いし、観ながらも心身がキリキリと圧迫されること請け合いなのだが、では一体何故観てしまうのか?…。(韓国映画全般にも言えることだが)それはもう圧倒的な独自性があって面白いからだ。とにかくキャラクターもエネルギッシュで個性が魅力的で、ストーリーも独創的で目が離せない。観終わった後には苦行後の達成感のような感覚に包まれてしまうのである。
 

 ・新しき世界 [ 신세계 ](2013)- チョン・チョン役
 ・ベテラン [ 베테랑 ](2015)- ソ・ドチョル役
 ・アシュラ [ 아수라 ](2016)- パク・ソンベ役

 
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 特に「アシュラ」のファン・ジョンミン演じる悪徳市長=パク・ソンベのダーティな表情、悪行の数々など…もはや思わず笑ってしまうほどのエゲツなさである。
 そしてラストの葬式場での血みどろのクライマックスも思わず拍手ものの圧巻さである(現実に巻き込まれたら地獄であるが…)。お願いだから狭い通路で複数人でもって斧を振り回さないでほしい。
 「ベテラン」のカーチェイスとその顛末も規格外だし、「新しき世界」の終始息がつまるような静かな葛藤〜終盤の半ば強引?とも言えるドンデン返しにも作品独自のパワーを感じてしまう。
 
 しかし官僚の腐敗政治、既得権益を巡る癒着と利権…といったものは時代や国が変わっても全く変わらないな。かつてよりますます衆目にさらされやすくなっているにも関わらず、もはや取り繕うような言い訳すらなく開き直りに徹する体たらくである。そしてその理不尽に翻弄されるのはいつでも末端の小市民であるから溜息が尽きない。
 

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 Blind Blakeの極上ラグタイム・ブルーズでコーヒーブレイク。
 数ある戦前ブルーズの名士達の中にあって、とりわけベースや和音の抜き差し、タッチの強弱などが絶妙にきめ細かくてモダンに聴こえる。くータマらん!
 
Blind Blake - Diddy Wah Diddy

 韓国映画では劇中に本当によく会食シーンが映り込むが、安居酒屋でも宅飲みでも本当に美味しそうに食べる。思わずこちらもチャミスルのボトルをくいくいとラッパで干したくなってしまう。