Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Son Of Ice Bag

 土曜日は終日ドラマーまっつん邸にてMOON FACE BOYSの録音作業。作業開始前の邸では Spacemen 3のCDが控えめな音量で流れており、久々の録音に際して静かに士気が昂まるのを感じた。
 まっつんの録音マイクコレクションにまた新顔が2本ほど加わっていた。これほどマイク好きのドラマーがいるだろうか?(…自分はあまり知らない)おかげ様で今や自分たちの録音は全て、まっつんの録音機材とエンジニアリングによるところなのであった。

 

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 なかなか納得のいく1テイクがモノにできなかった曲のベーシックをようやく最良の形で録れて、しばし安堵と満足感に包まれた。
 自分たちの場合オーバーダブは通常少ない。リバーブも最小限、パンチインアウトなんかもS全然使用しないので、曲の出来はほぼほぼこのベーシック録音で7〜8割程度は決まってしまうのでとても重大なのだ。
  

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 お昼には松本クンが仕込んでくれていたカレーを提供してくれた。
 彼がいつも愛用している無地のねずみ色のパーカーを思わせるような、見映えする具材など一切入っていない地味な…否極めてスタンダードな味わいで美味しく頂いた。パッと見伝わりづらいけどエエ材料をそろえるのが彼の流儀なのであった。
 ライスには白米をベースに黒米と玄米が少し混ざっており、皆すでに齢40を越えたメンバーの体にはありがたい。
 

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 午後は新曲のベーシック録音とそのオーバーダブ作業を中心に。
 ふと気が付けば時刻はすでに18時前後…自分を中心にだんだんと集中力が低下しているのがわかる。後半はすでにかなり酸欠気味であった。ここで本日作業は終了となった。
 
 何か手軽なものを…と行きしの業務スーパーで調達してきた冷凍餃子を焼いてもらい、鴨ロースを肴に軽く乾杯に興じた。カメちゃんがその場でちゃちゃっと作ってくれた丹波しめじと舞茸のスープがとても美味しかった。かき玉と多めの生姜が温まる逸品。カメちゃんの手料理はいつもお野菜多めで薄めの塩加減が抜群なのである。
 

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 帰宅後ノンアルビールを1本空けるや即寝。
 ビールのお供にLonnie Smithの『Think!』(1968年)をば。
 昨年Grant Greenの60年代の作品にハマってよく聴いていた。G. Greenのギターは勿論のこと、バンドがまた素晴らしい。『Street of Dreams』辺りのLarry Youngのオルガンもすごくカッコ良くて、5〜60年代のBlue Note作品をもっと聴きたくてあれこれ掘り出した、という流れであった。特にオルガンジャズとなるとファンキーなものが多いが、クールで洒脱な点も今の自分の嗜好に合っている。70年代以降のジャズレコードよりもゴスペルやR&Bなどのフィーリングをより色濃く感じて好みだ。
 Jimmy SmithとかDr. Lonnie Smithのソロアルバムもそんな流れを汲む、最高のバンドアンサンブルだ。特にこのアルバムは特にMarion Booker Jr.のドラムのキレを中心に鳥肌ものである。
 
・Lonnie Smith - Son Of Ice Bag

 

 初期Blue Noteにとって、ルディ・ヴァン・ゲルダーの録音もなくてはならないものだっただろう。50年代の作品の録音は、彼が検眼技師をしながらニュージャージー州ハッケンサックの実家でリビングで行われていた、というエピソードも目にして…初期はいわば宅録だったのか。

 Blue Noteの諸作品はリード・マイルスのアートワーク・デザインも秀逸である。ちなみに彼自身はプライベートではジャズ愛好家でなく、クラシックを好んだのだそう。
 レーベルのブレイン=アルフレッド・ライオンを中心に、当時どんなにか奇跡的なドリーム・チームが形成されていたのだろうことに想像を巡らしてしまう。
 自分にとってはさぞかし夢のある話である。