Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Smile Now Cry Later  

 大きい肉塊を焼いてワッシと頂くと思わず1週間のお疲れも取れるよね、とばかりに大きな鶏もも肉をワイルドにソテーした。弱火でじっくり焼き色を付けてお肉から出た脂で仕上げるソースが決め手でしょうか。たっぷりの蒸し野菜にはカニカマを乗せて彩りを足してみた。
 最近ではこんなノンアル飲料もあるのね、とトライしてみたところ辛口スッキリで食事のお伴でもOKでした。しかしこれなら炭酸水にレモンを搾ればよいのでは?と盛大に突っ込まずにはおれなかった(まぁ頂くけどね)。
 

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 土曜朝の「ピーター・バラカンのウィークエンド・サンシャイン」ではお待ちかねのチカーノソウル特集。最近日本語訳が発刊されてじっくり読みたいな…でもかなり高価な代物やな、ともじもじしていた「チカーノ・ソウル~アメリカ文化に秘められたもうひとつの音楽史(ルーベン・モリーナ著)」の訳者:宮本信氏による丁寧な解説と78回転SPレコード(!)の持ち込みが大充実の1時間40分だった。

http://www.m-camp.net/cgi_shop/shop/shop/goods_detail.cgi?CategoryID=000011&GoodsID=00000960


 かかるSP音源もいちいち素晴らしく、情報量が多くて思わずアーカイブ放送も聞き直してしまった次第。当日のプレイリストもアーカイブされており、バラカン氏もおっしゃっていたように全曲個別にyoutubeにもアップされているそうで…これが当たり前の時代が到来するとは。


 ここでもまたライ・クーダーが登場するのか、という…辺境音楽紹介におけるミスター功労者。だからこそこうしてバラカン氏のラジオでかかるという接点も見い出すことができる。
本場LAからテキサスのレコード、シングル盤の紹介という構成で、これまで薄ぼんやりとしていた「チカーノ」についての地理や歴史的背景への理解も俄然深まった。

 当時少年歌手で更新にも影響を与えたとされるリトル・ジュリアン・エレーラが実はハンガリー人であったこと、LAチカーノは当時貧しくてピアノという高価な楽器が身近に存在せず、そのため ジャズやR&Bなどの影響下にありながらも、ほとんどレコードにもピアノが入っていなかったことや、そもそもピアニストが少なかったエピソードなどが個人的に興味深かった。確かに一方テキサスの作品になるとオルガンやキーボードが顔を出す。
 現代でもBobby Orozaなどフィンランド出身でながらLAでチカーノ音楽を演奏している、という事実に対して、当初自分はそれってフェイクなんじゃないか、なんて当初穿ってしまったが、そもそもチカーノ自体が「移民の音楽」という出自であり、「自ら政治的、社会的に チカーノである、と表明した者がチカーノである」という定義の説明には大いに合点がいった。そこには、ちっぽけな島国の人間からはなかなか理解しずらい移民大国アメリカならでは寛容さや割り切れなさがあるのだろう。

 Sunny And The Sunlinersの『Smile Now Cry Later』(1966年)を聴く。
 昨日のBrainstoryや上記Bobby Orozaなどの作品のリリースもしているNYのBig Crown Recordsからの2017年リリース盤である。彼らもまた現行でSunny Ozunaのナンバーをカバーをしたりとリスペクトを表明している。上記のながれで言えばS. Ozunaという人はテキサス州サンアントニオをベースに活動していたレジェンダリーな存在のようだ。ラジオではSunny & The Sunglowsのナンバーがかかっていた。どうやらSunlinersはSunglowsの後の改名後のグループ名らしい。
 

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 ミッドテンポのナンバーが中心で編成もシンプルで最高に好みである。S. Ozunaの メロウな曲でも湿っぽさがない陽気で情熱的なボーカルが素晴らしくて思わずため息が出る。
 ラストではBlue Note1963年のクラシック、Lee Morgan「Sidewinder」を演奏していて、当時のジャズの影響なども感じさせてくれるが、どこかラテンノリのハウスパーティ・チューン? とでも言うべき仕上がりで最高である。
 
 ・Sunny And The Sunliners - Smile Now Cry Later  


 なお S. Ozuna氏は現在もなお現役で精力的にパフォーマンスされているようだ。
 
・Sunny Ozuna - Put Me In Jail (Acoustic Performance)