Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Ku'u Home O Kahalu'u

 久しぶりにやってしまった。
 朝方出勤前に日課であるスムージーを頂く際に冷蔵庫を開け閉めしたのだが、そのままドアが薄っすら開いたままだったらしい。
 夕方家路に着いて冷蔵庫を開けるやあちこち結露による水滴だらけ。何度やらかしてもショッキングであるし、その度に自己嫌悪に陥ってしまう。そもそも冷蔵庫に物を詰めすぎなのである。
 
 レバーとモヤシ等の生姜炒め、厚揚げとキノコ、タケノコの炊いたん(暑いのでレンジで)、キュウリとキャベツの塩もみ、梅干しとアオサを混ぜ込んだオー米(オートミール米化)など。
 

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 土用丑のうなぎ…とシャレ込みたいところだったが、そこは「うな次郎」である。しかも半額になってたものを頂いた。タレと山椒だけでもかなり雰囲気が出るわけだが、何やろう…この言い知れない侘しさは。
 

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 とりあえずうなぎ特有の豊かな脂感は皆無なのね。皮とか食感とかなかなかよくできているのだが、故に企業努力などをかぎ取っては人工加工物をしがんでいるようでフューチャーな違和感が呼び起こされる。とはいえうなぎの漁獲量も年々減っているというし、特に自分のような独身者の食卓においてはこの値段にして「ま、こんなんでもええか」でもある。
 
 そして久しぶりにやられてしまった。
 土曜日は映画を見がてらレコード屋さんに寄ったものの、つい小一時間ほど居ついてしまったところ、その間にまんまとやられたのである。
 ここ数年というもの年々手厳しくなりつつある京都名物の自転車撤去である。店先にちょいと、と停めた自転車が跡形もない。現場には地面に貼られたおなじみの撤去済みを知らせる味気ないシール…何度やられても筆舌に尽くしがたい悔しさに苛まれる。
 

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 かつては都合3〜4回ほどやられたが、さすがに一社会人としての協力の気持ちもあり、ここ数年は注意を払ってお店敷地内の駐輪場や有料駐輪場を利用するなどして、それなりに注意を払ってきただけに、久しぶりの痛恨のペナルティである。
 しかも財源不足の京都市のこと…何と今年10月より撤去保管手数料(←誰も頼んでませんけど)が2,300円→3,500円に値上げするとの悲報ありで、くれぐれも皆様お気をつけあそばせ。
 
 仕方なく肩を落として歩き出すやいなや、ここはタイなの?…とい見まごう熱帯地方のスコールよろしくな集中豪雨に見舞われてはコンビニに避難するなど、散々な土曜昼下がりであった。
 
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 というわけでその数時間前には、出町座にてケリー・ライカートの長編デビュー作「リバー・オブ・グラス」(1994年)を鑑賞していた。
 次作「Old Joy」(2006年)以降のケリー・ライカート節?が確立される前夜を感じさせる作品ながらも、思ったより荒削りな印象はあまりなくて、終始魅力的なシーンに彩られた大変見応えある作品であった。
 

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 何のことはない、さえない中年による逃避行(未遂)劇…といえばストーリーはそんなよくある感じなのだが、だからこそ監督らしい独自の視点による意匠が素晴らしく、やはり何とも言えずいちいち鼻の奥がツンとなってしまうのである。がしかし「Old Joy」以降の沈黙が雄弁に語りだすような間合いの豊かさは、やはり監督自らが編集も手がけるようになったことが大きく影響しているのではなかろうか? とも感じた。
 ちなみに「River of Grass」の編集は、当時リー役で出演のラリー・フェセンデンによるものだそうで、彼はエンディングロールで流れるSammy「Evergladed」のMVも監督している人物とのことだ。Sammyの名前は久しぶりに聞いたな、当時日本でもPavementフォロワーみたいな形で雑誌やレコード店等で紹介されていたものの…悲しいかな、その後彼らのCDはいついつまでも中古100円〜300円コーナーの常連選手であり、かく言う自分もそこでいたたまれなくなり入手した口であった。
 今聴いてもイナたくも愛着あるこの90's USサウンドが、何だか妙に映画にも似つかわしくて思わず苦笑いしてしまった。
 
・Sammy - Evergladed

 

 ちなみにエンディングロールにはYo La Tengoのアイラ・カプランの名前が「Additional Sounds」担当としてクレジットされておるのを発見して、この頃からすでに交流があったことを今さら知るにつけ驚いた。NYのハル・ハートリー監督との交流はYo La Tengoファンにも長年おなじみであったが…。
 そうなると傑作「Old Joy」をもう一度見直してから(Yo La Tengoによる劇中音楽がまた最高)家路に着きたいのは山々であったが、折からの自転車撤去とスコールを前に這々の体で撤退を余儀なくされたのだった。
 
 Olomana『Like A Seabird In The Wind』(1976年)をオン。よく行くレコ屋さんの中古500円コーナーで拾ってきたレコードである。
 

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 個人的にはよく知らないグループだったが、試聴したところとても良かったのでナイスな拾い物をした。オアフ島出身のギターデュオによるシンプルなハワイアン・フォーキーがひたすら楽園的で心地良くて飽きがこない。サラっとしていてベタつかず辛気臭いところがないというか。
 今年も夏休みもまたどこへも行けそうなので、せめてこのレコードをかけながらしばし島巡り風情に浸るのであった。アイスコーヒーが美味しい。
 
・Olomana- Ku'u Home O Kahalu'u

 
Last night I dreamt I was returning
And my heart called out to you
But I fear you won’t be like I left you
Me kealoha ku’u home o Kahaluu