Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

ジェラシー・オブ・カリビアン

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 週末から一気に気温も下がって、文字通り衣替えシーズンの到来である。寒いのは苦手であるが、長袖や布団の久しぶりの温もりが何とも嬉しい。

 そして何と言っても鍋の出番である。豚肉や白菜、しめじ他具沢山をまずは手始めにとクリアーなあっさり出汁でひとり占めする至福…。ピーマンとエノキなどをめんつゆとチンしたの、冷奴にはキムチとザーサイごま油を加えてチンしたの、オー米にはビンテージ?の岩のりをオンして。週末のハッピーな喧騒を逃れてしばし落ち着いた。

 

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 久しぶりにギターをよく弾いた1〜2週間で充実していた。どちらかと言えば練習のための練習は嫌いな方であるが、ライブが近づいているとなると否応なくギターを手に取ることが習慣となり、結果それが練習にもつながる。久しぶりに訪れたそんな時間が何だか新鮮なハッピーアワーとなった。
 今春jugzコニシ氏より購入したリッケンバッカーを初めてライブで使用してみたが、音の良さもさることながら、道具としても手にも馴染みがよくて改めて相性の良さを感じた次第である。何やらツマミが多くてまだまだ弾きこなすにはほど遠いが。
 グランジ世代であるせいか、かねてより高価なギターなどには一切興味がなく、そもそも道具に対するコダワリも希薄であったかもしれない。がしかし今となっては、これまでいかにグズる安ギターに翻弄されては、それをいなしてきたことか…良質なギターはそもそもチューニングの安定感からして違うのだ(当たり前だが)。かといって予想外? にギラギラした派手さとは無縁なナチュラルなトーンが気に入った。
 
 「てくらがり」でバンド編成でこうして集まって音が出せたのは実に約1年半ぶりか。加古川のイオン敷地内に併設されているライブスペースさながらのカラオケボックスにてバンド・リハ後、皆で兵庫発祥の出石(いずし)そばをたぐった。小分けの皿盛りスタイルがナイスであった。こうして久しぶりに会う友人らと囲む食卓はやはり良きものである
 

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 加古川のグリーンラバーズは、この日の主催者であり共演者の村田穣氏の経営するナイスな喫茶空間である。ふんわり焼きたてパンの香りに包まれて、遠征先の手作りの場所でのライブさせて頂く…これもまた贅沢させて頂いているな、と改めて。
 村田穣、タケヤリシュンタ、ほりゆうじ三氏によるそれぞれのおコダワリに満ちた独白世界をライブで堪能しては、くいくいビールを頂いたり、久々に会う友人らと語らうなどしてしばし上機嫌な夕べであった。迎えたてくらがりのステージでは、久しく人前で弾くギターにもつい熱がこもったというものである。
 …うっかり楽しみにしていたハンバーガーを食べそびれてしまったことだけが悔やまれる。
 

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 ほりゆうじ『ジェラシー・オブ・カリビアン』(2021年)
 今夏実に15年ぶりにリリースされたニューアルバム『FORMATION X』からの先行7インチ・シングルとのことで、ちょうど週末のライブ会場で終演後にご本人から購入したばかりの1枚である。
 

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 氏がかねてより敬愛する曽我部恵一氏(サニーデイ・サービス)主催のRose Recordsからのリリースということもあってか、A面曲は曽我部氏によるリミックスとなっており、いつになくきらびやかな仕上がりで、シティ感覚をまとったカリビアン風味が眩しい。異国の地でのバカンス・デートにおける切ない男心を歌ったA面にふさわしい名ナンバーと言えよう。アルバム収録Ver.との(かなりの)風情の違いを楽しむも一興だろう。
 
ほりゆうじ - ジェラシー・オブ・カリビア

 
すると突然君の目の前を横切る  
ジョニーデップみたいな謎の外人  
君の目がハートに変わる 
そして僕はカリブでジェラシー
 
 カップリングの「回転寿司で目がまわる」「いきつけの店よそいきの服」も、全ての小心者たちをそっとハグしてくれる「ほりゆうじ節」のたっぷり利いたラブ・ソングであり素晴らしい。
 
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 奥方のビル氏の撮影による、どことなく健康器具の広告チラシみたいな画質のポートレイトもまた切なさを加速させてくれる。わざわざ似た衣装まで調達しては、某細野氏の某作を入念にオマージュしているにも関わらず、全くそうと感じさせない…オンリーワンな微笑ましさはさすがの人徳であろう。
 久々に拝見できたライブもとても素敵やんで、あちこちに笑顔がこぼれていた。姫路の宝ここにあり、である。
 
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