Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

OBAKE

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 関西の友人と話す機会が増えると、ついつい日常生活でも関西弁が伝染ってしまっている現象にも慣れて久しい。しかしここ最近というものそもそも他人との交流自体が減ってしまい、そうするといつしかまた関東弁に戻っていることに気付いた。時には中途半端に関西弁と関東弁が入り混じる自体に陥ったりなどと、これはこれで相当気恥ずかしい。自然が一番であるし、そもそも内容が伝われば十分なのであるが…コロナ禍中における10年目の移民あるあるだろう。
 
 サケと白菜、しめじなどを今日もまたあっさり目のお出汁で頂いた。旨みを吸ったお揚げが実にジューシーである。ナスに豆板醤や麻辣醤、ごま油などを加えてチンして麻婆茄子風に。小松菜のおひたしと大根のぽりぽり漬け、ブリのお造りなどを付け合わせに頂いた。
 

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 ほりゆうじ『FORMATION X』(2021年)。
 『ジェラシー・オブ・カリビアン』7インチと併せてライブ会場で直接ご本人より購入した。遡ること10年も前に、今回の新作アルバムに先駆けてそのタイトルおよびアートワークになるTシャツが先に出来ていたというエピソード。通りでこの既視感である。
 

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 90年代と昭和への憧憬に彩られた青春世界を今も地で行くほりゆうじによる、15年ぶりの新作である。オール宅録というのも何だか嬉しくなるではないか。
 ジャングリーでバブルガムポップなギターワークと、パンチラインだらけの歌詞は人懐こくて誰でも歌いたくなり、歌えそうな気もしてくるけど、ほり氏その人にしか歌えない曲ばかり。
 
「だけど恋に落ちるわけにはいかない 俺はトイレを借りに来ただけの男 
遠くの街からやってきた 自由気ままな流れ者」 (PASSENGER〜トイレを借りに来ただけの男)
 
 自分がバンドを始めた頃、巷では90年代のオルタナ・ミュージックに影響を受けたインディー・バンドであふれていたが、皆一様にノイジーで気だるげでアートパンク的な世界観をそのままコピーしたタイプのバンドが多くて、正直その現象には飽き飽きしていた。…かくいう自分も多分にもれず当時MBVやDinosaur Jr.、Sonic Youthなどのギタースタイルに憧れてジャズマスターを愛用していた一時期も恥ずかしながらあったのだが。
 がしかし、ここでほり氏によって歌われる赤裸々でストレートな歌詞世界は、むしろそうした巷の安直な影響の受け方とは一線を画す、独創的なアプローチが光るものとなっている。
 
「足元を見つめて歌っているから お客が少なくとも気にならない」シューゲイザー
 
「90年代を惰性に過ごした 僕にピッタリのBGMだったよ
今でももちろん聴いているよ ダイナソーJr.のCD」(ダイナソーJr.のCD)
 
 「CD」というワード・チョイスがまた良いではないの。クスリときて、ウンウンと頷きながらも同時に甘酸っぱさも込み上げてくる。
 
ほりゆうじ - OBAKE

 

気のせいだとは思うけど 全速力でランナウェイ

大人になっても怖いもの それはOBAKE

 
 7インチ、CDともにリリース直後だというのにすでに在庫僅少で、追加プレス予定もなく今や本人の手売り分がメインだという。
 光栄にも購入した品にサインもして頂けた。
「お金に困っても売らないよ ダイナソーJr.のCD」ダイナソーJr.のCD)に因んでだろうか…宛名入りで「お金に困っても売らないで!!」との貴重な? メッセージ入りである。これはわざわざ本人から言われずとも決して今生手放したくなどない傑作CDである。
 

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