Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Tell Me Something Good

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 久しぶりにまっつん邸にバンドメンバーが集ってミックス作業に精が出た。序盤は基準となるバランスを図るのになかなか手間取ったが、少しずつ理想に近づきつつあるのではなかろうか? オーディオ環境は元よりリスニングの時間帯や、自分のコンディションによっても聴こえてくるバランスが変わるものでなかなか厄介である。4曲程度仕上げたが、さていかに? 
 途中まっつんお手製のシチューを振る舞って頂いた。ご丁寧に手羽先入りである。自分もお気持ちばかり、と余り物のカボチャサラダとブリ大根を仕込んでは持参してみた
 作業明けにはこれまた久しぶりに居酒屋に繰り出して話し込むなどして、かつてのルーティンは今となっては新鮮かつ稀少なイベントとなってしまった。
 
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 丸尾末廣先生の原画展「NEXT ONE」が開催されていたことを知り、最終日に駆け込みで行ってきた。改めて何ときれいな線を引かれる漫画家さんだろうか? などとしばし原画のその美しさに見惚れた。
 作品点数は充実していたが、意外にも大判サイズの作品はほとんどなく、LPサイズかそれより少し小さいくらいのサイズの作品が大半であった。最終日とあってギャラリーは賑わいを見せていたが、ほとんど9割以上が女性という客層であり、それも少々意外であった。中には若年の(と思しき)文学少女なども少なくなく…。
 画業40年のキャリアにして、その代表作はと問われれば「次回作(ネクスト・ワン)」とは何とも頭が下がる話である。
 

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 ブリ大根には五香粉や麻辣粉などをはたいて台湾おでん風にしてみたところ功を奏した。トッポギ風チキン、作り置きのキノコ類のマリネ、ヤリイカとハマチのお造り、長芋とキュウリ、チクワに塩と酢を加えてもんだの、など。
 

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 Sun City Girls『Midnight Cowboys From Ipanema』(1994年)を。1984年にカセットリリースされた作品をリマスターしてLP化した作品である。
 タイトルからして何ともなインチキ臭さをプンプン放っているが、アートワークも負けじとリゾート地のお土産物かエスノ・ヒーリングの廉価編集版か? みたいなチープな装いに「THE HIT SOUND THAT MADE THESE GREAT SONGS GREAT」とあり…内容はと言えばバンドのオリジナル曲と70'sヒットナンバーのカバー曲が交互に登場する、という謎構成である。
 

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 初期のSun City Girlsのバンド然とした魅力に溢れた全編ガレージな味わいが素晴らしい(これまた)奇作であると言えよう。カバーもO'JaysとかIsley Brothers、Gamble & Huff作…他のソウルファンク・ナンバーなど力技カバーが改めて眩しい。やっぱり彼らもかのアリゾナの地で『ソウル・トレイン』なんかをTVで見て育ってきた世代だったりするのだろうか?
 大ネタ「Midnight At The Oasis」の、聴いていると思わず喉がカユくなってくるような歌えてなさとかも白眉である(キーを下げよう、ということにはならなかったのだろう)。Sun City Girlsの作品はやっぱり何が出てくるのか得体が知れなくて最高にワクワクする。
 
 実は2004年に英国で開催されたATPフェスにてSun City Girlsのライブを目撃する、という僥倖に恵まれた。それまではVHS作「Cloaven Theater」(1994年)でのカルト宗教的?なうさん臭さ極まりない彼らしかその動く姿を見たことがなかった(盟友の故Eddy Detroitも客演)ので、ステージに出てくるまで一体どのようなライブが展開されるのか想像もつかなかったが、果たして被り物などもしていなければ、全くギミックなしのシンプルな3ピースバンド然としたライブで逆に面食らった。
 傑作『Torch of the Mystics』(1990年)辺りを思わせるヘヴィサイケ・サウンドがホットで最高であった。まずAlan Bishopのベースが重たくてビックリしたし、ソロ作品も大好きなSir Richard Bishopの独特のギターワークも生で堪能できた。アルバムを聴いてもわかる通り、実はとても上手なバンドである。ドラムのCharles Gocherが2007年に急逝してしまい、それを機にバンドは新たなドラマーを加えることなく休眠してしまうことになるので、今考えるととても貴重なライブ・ステージだったと思う。
 
・Sun City Girls - Tell Me Something Good(Cover)

 
 こちらの激カバーにも思わず膝から崩れ落ちそうになる。原曲はStevie Wonder作によるワウ・オルガンが気持ちイイミッドテンポのファンクナンバーなのだが…ナゼこうなってしまうのか、最高である。
 
Chaka Khan and Rufus - Tell Me Something Good

 
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 『Midnight Cowboys From Ipanema』LPのリリース元のサンフランシスコのAmarillo Recordsは、他にも先述のU.S. SaucerやThe Three Doctors Band、Zip Code Rapists、Faxed Headなんかのユニークなバンドをリリースしていた実にクレイジーでユニークなレーベルであった。Neil Hamburger、Anton LaVeyなんかはネイティブであればより楽しめるだろうに、などと少し悔しい。
 ちなみに1996年リリースのレーベルサンプラーは、名門コミュニティラジオ局WFMUのサイト上で2007年にアップされて以来〜現在に至るまで引き続きmp3データをフリーダウンロードできる形を取り続けている(最近なら容易にYouTubeなどでも聴けるんやろうけど)。
 

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 ついつい…とても2021年のBlogとは思えない内容になってしまった。