Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Wolves, Lower

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 乾燥しがちなシーズンもまだまだ盛りで、一度油断すると顔面や指先などがカピカピである。特に四十路に入った辺りからより顕著な気がしている。ここ1年というもの、トライアル的に入浴後に「肌ラボ極潤」なるヒアルロン酸化粧水(ていうの?)を顔面に塗り込んでみている。そうしたところ…睡眠時はもちろんのこと、起床時まで保湿が続いてお肌もなかなかに調子がよい。もっと早く始めればよかった、とさえ思う。
 ハンドクリームやリップクリームなどに至ってはもはや手放せない冬の必需品となっている。
 
 昨晩京都で観たGofishのバンド編成でのライブがとても良かったので、思い切って神戸にも遠征することにした。大所帯にも関わらずあくまでもショータ氏の歌が真っ先に聴こえてきて、メリハリを感じる風通しの良いアンサンブルは、卓越した奏者の集団ゆえだろうか? 会場の海辺のポルカもロケーションが素敵であったし、O.A.山本精一氏を務められたトリオ編成も研ぎ澄まされたものがあって息を呑んだ贅沢な夕べであった。
 バンドの興行のおかげで、2日間とも引率のSweet Dreams Press福田氏ほか多くの友人知人とも久しぶりに顔を突き合わせて談笑できて幸せなひと時を過ごすことができた。
 

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 せっかくなので久しぶりに降り立った神戸で1泊することにして、しばし海沿いをのんびり散歩することも叶った。
 
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 春節ムードのほんのり残る中華街で北京ダックなぞ食べ歩き。帰ってアプリを見ると2日間で計25,000歩くらい歩いたようで足がまだパンパンである。
 神戸に出かけるなら革靴でないとナメられる、との勝手な個人的偏見からブーツを履いて長距離を歩き続けたのが凶と出たようである。
 

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 「WAVES」(2020年)、「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」(2020年)、それから「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」(2020年)を鑑賞。いずれもA24配給作品であるが、A24は現代アメリカに生きる若者像をリアルに切り取った作品も多く紹介している印象で、その独特な切り口にグッとえぐられる傑作も少なくない。こちら3作も多分に漏れず胸の辺りにシクシクとイヤな痛みを伴う作品だったけど、それぞれ気がつけばつい引き込まれているような魅力的な作品であった。音楽のチョイスもいいんだよな。 
 
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 R.E.M.『Chronic Town』(1982年)でも嗜まん。
 最近初期R.E.M.の素晴らしさにすっかり開眼してしまい、折に触れてよく聴いている。『Reckoning』(1984年)『Lifes Rich Pageant』(1986年)なんかも特にお気に入りでよくかけている。
 

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 世代的には自分の高校時代に『Monster』(1994年)がリリースされて、こちらは当時ラジオでかかっていたしCDを買ってよく聴いていたものだけど。その後『Murmur』(1983年)の中古盤を買ってみたけど当時は「?」でそのまま放したまんまだったな。

 今になって80年代のR.E.M.初期作に聴き直してみるにつけ、改めてそのシンプルなアンサンブルと青ざめた温度感が何ともタマらない。かと思えばこのもっさりしたイナたさは、例えば同時代のUKのネオアコやNWのバンドなんかとも明らかに風情が違っていて親近感が湧くものがある。殊にこの1st EP作の不安になるくらいのスカスカさたるや…Peter Buckのクリーントーン中心の簡潔なギターワークとか最高に自分好みだ。

 当時CMJなんかのカレッジチャートなんかを中心に、こういった地味な音楽(褒め言葉です)が音楽ファンから草の根的に支持されていた、というエピソードは何とも嬉しくなる。実際にこのアセンズ出身の若手バンドが、90年代USの地下インディ/オルタナティブ界隈のバンドに与えた影響も大きかったことだろう。

 

R.E.M. - Wolves, Lower


Suspicion yourself, suspicion yourself, don't get caught
Suspicion yourself, suspicion yourself and let us out
Wilder, lower, wolves
Here's a house to put
Wolves out the door
 
 先日泊武村氏とお話ししていて…私のRickenbackerのギターを目ざとく見つけた氏は「自分は高校時代はSmithsとR.E.M.しか聴いてなかった…けどやっぱり特にR.E.M.かな」と豪語されており、思わずのけぞった。
 今やそのギターワークもさることながら、和洋問わず目利き&ビザールなDJセレクトも聴かせてくれる武村氏にも、まさかそんな青春期があったとは…人に歴史ありである。ちなみにStone Rosesは「聴いたことない」ハードコアぶりである。
 何と氏は、そのR.E.M.愛が高じて丸々R.E.M.のナンバーで埋められたカバーアルバムを制作したそうである(残念ながら未聴であるが)。そんな会話の後で以前に300円くらいで入手したまま放置していたR.E.M.のベスト盤CDを何となくかけていたところ、特にその初期ナンバーにどうにも胸掻きむしられるようになってきた、という次第だ。
 

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 自分の耳が変わったのか時代が変わったのか…時間を経て、ある時自分の耳をすっと抜けてぐっとハートに入ってくる、ということは誰にもよくあることですね。
 
 さて金曜日です。
 世界はますます人知を超える災禍に侵されており、今や家から一歩外に出るのも命懸けですが。
 どうかご安全に充実した週末をお過ごし下さい。