Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

12 Red Roses

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 折からの陽気に誘われて、週末は久しぶりにまっつん氏の愛車=Honda社製Vamosに乗り込んで、京都北部は南丹市にある「るり渓温泉」まで足を伸ばしてきた。

 念入りに早朝6時頃に市街を出発してはなるべくピークを避け、人里離れた山間のロケーションも相まってか、しばし気兼ねなくゆったりとお湯に浸かることが叶った。朝一番の露天風呂を貸切に近い形で堪能し、打たせ湯でじっくり肩をマッサージしては、サウナ⇄水風呂のサイクルを3回繰り返すなど。

 

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 午前中には入浴を終えて「ほほ肉付け麺セット(温玉・天むす付き)」を頂いた後は、亀岡に寄ってまだ咲き始めたばかりの桜を眺めては、冬の間はコチコチに固まりつつあった心身が徐々にほぐれゆくのを感じたのだった。
 

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 友人宅で日本酒を頂きながら、優雅に窓辺の特等席でサンセット時の花見に興じるなど。短い春の一日をすっかり堪能した。
 

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 塩コショウしたランプ肉を焼いて食う。付け合わせの蒸し野菜もシンプルに塩コショウのみに留めてみた。キリッと冷たいハイボールの炭酸が喉元に沁みる季節になってきたようで大変喜ばしいことである。
 

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 Betty Smith『Soul Perfection』(1969年)を。
 2007年に実に38年ぶりのアルバムを出す以前には、彼女が残した唯一のアルバム作であったようで、60年代初頭〜これまでにリリースしたEPの集大成的内容である。
 

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 これまたAllen Toussaintプロデュース作になるが、何度も聴き返すほどに愛着の湧く滋味深い作品である。ニューオリンズ産の泥臭いサザンソウル・サウンドがまたタマらない。
 R&Bガレージなバンドサウンドのアップテンポに乗せられたB. Smithの凜としたボーカルのしなやかさに思わず込み上げてしまう。A. Toussaintの仕事と思しきブラス・アレンジも洒脱でソークールよね。
 
・Betty Harris - 12 Red Roses

 

(Eleven) Now, number Eleven brought tears to my eyes, you used
An eleven page letter just to say goodbye
(Twelve) This one’s under the water, I can’t see it very clear
Representing my future
 
 1〜12までのカウントに乗せて綴られる別離のプロセスが切ないけど、キレのあるビートと反復するベースラインが超絶格好イイ、アルバムラストを飾る有終ナンバーである。
 
 一体何故このような傑作を仕上げる才能に恵まれながらもその後40年近く沈黙せねばならなかったのか、全く理解に苦しんでしまう。
 ヒットソングやプロデューサーに恵まれることが当時のソウル・シンガーの命綱であったのだろう。演歌歌手みたいなものだろうか…。特に女性のプロデューサーや作曲家等のクレジットをとんと見かけない辺りも、今となっては、当時の音楽業界のみならず社会全体における家父長制の横行ぶりを肌で感じてしまう。
 
 京都市街の桜は先週末から満開を迎えているが、るり渓周辺の山里の桜はまだまだツボミだらけ、亀岡の桜は7分咲きという感触であった。
 今年はもう少しだけ桜が楽しめそうで浮き足立っている。