Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

No Credit For This

 
 今年は残暑が短かったせいか、秋の深まりの素晴らしきフェイズをじっくりと堪能できている。ああ晩秋かな。
 感染者数の減少や制限の緩和の影響もあってか、関西圏でも秋の催しラッシュ真っ盛りである。コロナ禍中以来実に「3年ぶりに開催」されるという催しもよく聞く。
 
 早朝より1年ぶりの健康診断へ。体重は昨年度比+0.5kgとほぼほぼ現状維持しておりホッ。ただし胸部CTで「肺部に昨年にはなかった白い線状の影」の存在を指摘されて緊張が走った。良性か悪性か等の精査はこれからだが、何とも気が重くなってしまう。後で調べたところでは、同じような原因不明の症例がコロナ罹患者にも多数見られるとの情報を得て、もしや? とも思われるが、結論は診断結果を待ちたいところである。
 どちらにせよ「再精密検査及び経過観察」を言い渡される形になるんだろう。大事でなければそれに越したことはないけど。40歳を越えた辺りからというもの、毎年何かしらの異変が指摘されるようになってしまった、トホホ。老いとともに友人とも顔を合わせるにつけそんな類の会話も増えてゆくのだろう。
 
 肌寒くなってきたので、手軽に暖と栄養が取れる鍋物がおひとり様の食卓で重宝している。昨冬シーズンの終わりとともに寿命を迎えた土鍋に替わってステンレス鍋の登場である。土鍋に比べて軽量で割れにくく、熱伝導性や保温性等はいかがか…と当初こそ訝っていたものの今のところさしたる不満はない。強いて言えば思ったより容量が大きく、ついつい作り過ぎ&食べ過ぎてしまう傾向にはあるので、ここはやはり…ということで別途土鍋も新調してみた。
 今シーズンの味付けの主力としては、もっぱら白味噌酒粕を頻繁に召喚している。
 
 
 Charles Stepney『Step on Step』(2022年)。シカゴのInternational Anthemからの今年リリース新作であるが、1976年に45歳の若さで亡くなった裏方的プロデューサー/アレンジャーによる唯一作でもある。
 

 
 C. Stepneyの3人の愛娘たちによって自宅地下室から発掘されたデモ音源が素材となっており、これがまた何とも素朴で愛らしい内容であり、自分のような永遠のローファイ・ファンのハートをがっちり掴む作品となっている。ましてや近年特にソウル・ファンク趣味が高じている自分のような者には無視できない逸品と言えよう。
 「地下室のスタジオ」で「4トラックのカセットレコーダーで録音」されたというだけのエピソードは、何故にかくも自分のような一部音楽ファンに甘美な響きをもたらすのだろうか? その答えはこの音楽そのものに明確にあるのだが、個人的にはショービズ界の商業性とは無縁な、パーソナルでインティメイトな耳心地にその醍醐味があると思っている。
 
・Charles Stepney - No Credit For This

 
 このリラックスしていて、シンプルで外連味のない構成が何ともまた耳を通して我が胸を打つではないか。ご自身による曲も演奏も最高であるし、リズムボックスとエレピの素朴なマリアージュがタマラナイ。故人がかつてプロデュースを手がけたEarth Wind & Fire「That's The Way Of The World」、「Imagination」とかRotary Connection「Black Gold」等の往年の名曲のプロトタイプ的独演も実にグッとくる。
 たとえ故人の当時発表意図にそぐわなかったとしても、である。他者にその価値が見出されて聴かれるべくして聴かれてしまうニッチな音楽というものは…やはりこの世の中には存在するのだろう。音楽ファンの飽くなき探求心=ハードディグはやはり底知れないものがある。
 
 ちなみにBandcampサイトを拝見したところ、USプレス盤はBob Weston氏(Shellac)によるラッカーカットとのクレジットを見つけることができる。私の盤はドイツプレスやけど、音も大分異なるんでしょうか?
 それにしても輸入レコードが高価すぎて鼻血が出そう。個人的には多分来年の今頃は、新作リリース作品はよほどでない限りは、レコードでなくCDかサブスク等で楽しんでいることだろうと考えている。
 
 さてさて金曜日、今週もお疲れ様でした、ビーハッピー。