E-Motion
冬休みハズゴーンである。
昨日は仕事始めであったが、いつになくぬるっとしたイントロにて、淡々と目の前のワークに取りかかったのだった。
久しぶりに自転車にまたがったものの、 思ったより肌寒くなかったのが何よりである…などとちょっと気を抜くや今朝はやけに寒いでないの。
年末はひねもすラジオを聴いたりアマプラを鑑賞したりして過ごしていたら、冬休みはあっという間に過ぎ去ってしまった。
ルネサンス期の建築や衣装の再現や、 画材やキャンバスのテクスチャに至るまできめ細かく追究されており圧巻であ る。そして何より出演者がとにかく一様に皆美しいお顔立ちであり、その大河ドラマ的なスケールの大きい世界観にしばし迷い込んだ。
『 ホテルデルーナ~月明かりの恋人』(2019年)も日々の夕食のお供に楽しみにちびちび見ていた。 いわゆる異界と現世を行ったり来たりのタイムリープものであるが 、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』 のIUがまたしてもツンデレなヒロインを愛嬌たっぷりに演じ、 一方『怪物』のヨ・ジングの無口& 無表情さもまた良いバランス感であった。基本的にはコメディ・タッチの内容にて、ちょいと難ありな展開の数々も個人的にはご愛嬌である。『ユミの細胞たち( シーズン2)』のコントロールZ役=ピョ・ジフンも適役で、ポーター&学生服姿どちらも無理なく似合っていた。
それにしても…ゑでぃ氏のおっしゃる通り、韓国ドラマってばいざ恋愛成就してからも大分ロングストロークである。某「キム秘書はいったい、なぜ?」も前半のミステリー感はどこへやら…後半はひたすらにおのろけばかりが垂れ流された。
何の気なしに観たアニエス・ヴァルダ監督作『ダゲール街の人々』(1975年)があまりに素晴らしく(というか自分好みで)、同じくアマプラに上がっていた長編デビュー作『ラ・ポワント・クールト』 (1955年)、監督にまつわるドキュメンタリー作『アニエスによるヴァルダ』(2019年)も観てみたところ、どちらも良くて、恥ずかしながら個人的には今さらようやくアニエス・ヴァルダという映画監督の偉大さに出会えた形である。
そもそもヌーヴェル・ヴァーグ期のフランス映画で、好きな作品てばほんの数えるほどしかないくらいにはフランス映画が不得手な私であるが、アニエス・ヴァルダ監督の作品にはいわゆるそういった感覚を覚えず、一貫して市井の無名の生活者たちにフォーカスした、気取りのない作品の数々に感銘を受けた。『アニエスによるヴァルダ』中でも言及がある通り、どうやら作品の背景には、監督自身の信条としての「フェミニズム」視点や「自由な実験精神」が太く通底しているようだ。
是非とも年内中に映画館でも、と劇場に駆け込んだ『冬の旅』(1985年)も素晴らしかった。他者に遣われることを拒んで「楽して生きたい」と堂々とのたまうホームレスの十代女性の、無軌道な自由さが心地よくもあり、やるせなくもあり。ラジオから流れてたご陽気なシンセポップも、うすら寒さを誘うばかりだけど、終始暗さや気難しさとは一切無縁で、むしろ可笑しみすら誘うような不思議なテンションが良かった。
ようやくおせちの残りを全て償却した。牡蠣だのエビをエリンギとバターで炒めて水菜やトマトと和えたものには、新たにシュレッドチーズをオン&チンするなどして自分の脳を飽きさせないようにしながら。
Dante Elephante『Mid-century Modern Romance』(2021年)。
外はまだまだ寒いけど…。西海岸在住のチカーノ・シンガー作による軽みあるソウルフル・ナンバーの数々に思わず頬が緩んでは、しばし心和ませている。
アートワーク写真の不敵なマイルドヤンキー然? としたイカつさとは裏腹に、その音楽からはナイーブなオタク臭がそこはかとなく充満しており、何とも好ましい。
ファルセット目のハイトーンボーカルと、コシのあるチルなシンセ・サウンドもまた楽園的であり、西海岸からの温風を(勝手に)受けるのだった。
・Dante Elephante - E-Motion
Emotions take control
Who knows me the way that you do?
We've been friends so long
How come I've never been close to you?
ヴィヴァ・ラ金曜日。
今年もぼちぼち参りましょう。