Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

The Magic Number

 

 マイナンバーカードとやらは申請されましたか? 
 個人的にはと言うと、お上に煽られれば煽られるほどますます作りたくなくなる気質である。露骨にポイント付与で釣るという今時セコさ極まりないやり口とか。
 勝手に背番号付けされ、カードまで発行〜携帯せよ、とは一方的な言い分である。そもそも任意の筈ではなかったのか? その上、どうせそのポイントとやらも国民の課税によって賄われるんだろうと考えるに、いよいよお上から馬鹿にされてるとしか思えないのである。
 というわけで、当面は引き続きシカトを決め込みたい次第である。
 

 
 2月に予定されていたライブを2本とも終えてひと息ついている。
 急遽YMOのカバーにTelevisionのフレーズを挟んでは、年明けに亡くなった故人に対してささやかながらトリビュートさせて頂いた。改めて声をかけて頂いた主催者や共演者、そして何より足をお運び頂いたお客様に感謝の念を感じている。
 久しぶりに聴けた&初めましての共演バンド等の現在地点の音楽をライブで楽しんだり、顔を合わせた人々の笑顔や何でもない会話のやり取りにコロナ禍中ですっかりカチコチに凍結していた心がゆっくりと解凍されていくようであった。
 土曜日の夕方にわざわざ時間を割いて足を運んでくれて、しばし自分達の音楽に耳を傾けて頂けることは改めてありがたいことであると思う。
 

 

 開演前に音凪にほど近い天満の立ち飲み屋さんで、メンバー諸氏とささやかに乾杯をば。
 アテは300円前後、お酒も400円を切る価格設定に思わず唸った。お店の出してくれるままに…お酢と辛子で唐揚げ(揚げたて)を頂いたのは初めてだったけど、意外とさっぱり美味しかったのだった。
 昔ながらのシンプルさが妙に落ち着く駄菓子さんのような風情が乙であった。
 

 

 外食の機会も少しずつ増えつつも、相変わらずベースには自炊が定着している。
 とは言うものの、ここ最近はレシピをチェックしたりも怠っており、特にレパートリも増えるでなく技術も向上するでなく…ひたすらルーティンにかまけてはお鍋ばかりを食んでいる体たらくだ。それはそれでヘルシーでお財布にも優しいのだろう、その単調さが退屈でもあり居心地良くもあり。
 それはそうと今日もほうれん草が美味しい。
 

 

 De La Soul『3 Feet High And Rising』(1989年)をば。
 そしてまたしても訃報…De La Soulの片翼MCのTrugoy the Dove(通称:Plug 2)ことDave Jolicoeurが54歳の若さで逝去されたそうである。このBlogでも年明け早々、追悼記事だらけで我ながらどうかとは思うけど、そこは致し方なしということで。
 

 
 De La Soulは特に初期作(3、4枚目くらいまで)は大好きでよく聴いてたなや。この1st作との付き合いもいつの間にやら大分長くなってしまった。
 従来のタフが信条のヒップホップのイメージに反して、サウンドは自分好みのローファイ&サイケ感もあり、キャラクターやアートも軽みと明るさがありで。
 
 実際自分が初めてDe La Soulなるグループを知ったのは、ミクスチャーメタル全盛の当時リリースのサントラ盤『Judgement Night V.A.』(1993年)収録のTeenage Fanclubとの共作曲「Fallin'」であった。Tom Petty「Free Fallin'」使いの名曲であるが、そのイカつい面々の中にあってある種異色とも言える脱力&チルアウトぶりが実に耳と心に残ったものだった。 
 

 
 そしてすぐに手に取ることになるのが当時リリースされていたDe La Soul初期作ということなのだが、中でも特にこのPrince Paulプロデュースによる『3 Feet High And Rising』は、全編を通してファンキーソウルなパーティ感とカラフルなコラージュ感が今もって耳に楽しい大好きなアルバムだ(P. PaulやTommy Boyの思惑も作用したのだろう)。聴いていると思わず顔がほころんでしまうピースな楽曲群と、その間を縫うように配置されている小品の雑多な構成も絶妙である
 
De La Soul - The Magic Number

 
When that negative number fills up the casualty 
Maybe you can subtract it
You can call it your lucky partner
Maybe you can call it your adjective
But odd as it may be
Without my one and two where would there be
My three? Mase, Pos and me
And that's the magic number
 
 ちなみにアルバムの標題はJohnny Cashの「Five Feet High and Rising」をもじったものだそうで、「The Magic Number」でもサンプリング使用されている。同曲中ではBob Dorough「Three Is a Magic Number」、Syl Johnson「Different Strokes」も使用されていたり、とこのネット時代に、改めて彼らのサプリングネタを紐解いていみるも一興なのだった。FunkadelicやらOhio Playersに混じってSteely DanとかHall & Oates等も使用しており、今更ながら自由な風通しが良さを感じてしまう。
 

 
De La Soul - Eye Know

 
This time the Magic Number is two
'Cause it takes two, not three, to seduce
My destiny of love is brought to an apex
Sex is a mere molecule
In this world of love that I have for you
It's true (True)
 
 Otis Reading「The Dock Of The Bay」の口笛のサンプリングも高らかに、俄然高揚する名曲である。
 A Tribe Called Quest 等のネイティブ・タン一派しかり、この時期のNYのヒップホップは、彼らの都市の生活における独自のアフロ路線を瑞々しく体現しているのがグッと伝わってきて、今もって自分をワクワクさせてくれる。
 

 

 この時期のライブ映像もファンキーなエネルギーが充満していてクールだなや。カジュアルなフーディ&デニムを纏ってラップする飾り気ない姿が、自分の考えるパンク精神にも近いものを感じてやっぱり好感であるし、Maseがその場で全編レコードを使ってトラックメイクしている辺りの記録も今となっては胸が熱くなる。
 
De La Soul- “Jenifa Taught Me, Say No Go, Tread Water, Me Myself & I” 1990(Live) 

R.I.P. Trugoy the Dove
 
Trugoy is ready for what you possess
We could live in my Plug 2 home
And on Mars where we could be all alone
And we make a song for two
Picture perfect things and I sing of how

I know I'll love you better