Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Carry-Go-Bring-Come 

 

 梅雨空続きでただでさえ気が滅入ってくる。
 入管法改悪案の強行採決マイナンバーカードにまつわる相次ぐトラブル…国民に対してゴリ押しで不便さと不自由ばかり強いてくる為政者とは? そしてそれら状況をよしとして、ますます自分の首を絞めるべく健気に票を投じ続ける大多数の有権者とは一体?
 
 1ヶ月ほど前に急遽、職場に新しい人員が追加されることになったのだが、まぁ考え方や価値観といったものが合わない方なのである(どちらかと言えば苦手なタイプ…)。決して悪い方ではないのだが、もしかしてこれがいわゆる「京都人一流の嫌味」? みたいなのもピリッと端々に嗅ぎ取ったりもして。
 幸か不幸かお互いの担当も異なるため業務上の関わりはなく、その点は気が楽なのだが、仕事上のコミュニケーションを通して芽生える類の信頼関係もなかなか根付きにくく、距離感を計りかねている。
 しかも自分より5歳ほど年上の女性ということもあってか、何かと気も遣ったりで気疲れでもしていたせいだろうか? 先週突然仕事が終わって家に帰り着くや、手足から局部、腹など我が全身にかけて蕁麻疹がびっしり大量発生して思わず動揺してしまった。これまで蕁麻疹など出来たことがなかったし、当初は虫さされでもこじらせたのかと考えていたのだけど…翌朝病院で診察を受けたところ、目視と触診によると「ストレス性の蕁麻疹」が疑わしいとの即決診断であった。
 早速帰りに処方箋を入手して処方したところ、幸いその日の夕方頃には大分腫れや痒みも引いてきて、一晩寝たらほぼほぼキレイさっぱり消え去っていたのだった。人体ってつくづく不可思議である。
 職場で合わない人とは、無理やり合わせようとしないことと見つけたり。お互いいい大人であるし、ましてや友達関係でもあるまいしね。
 まだ相手のことがよく理解できていない段階では必要以上に警戒してしまうものである。そもそもこれまでの人生では、逆に人間関係に恵まれ続けて、いかにのびのび生かされてきたことか、ということかもしれない
 たとえ属性の異なる動物たちも、寛大な心でもってお互いの異なる習性を尊重し合わなければいけませんね…とは頭で理解しているつもりの私である。
 …というわけで現時点では、ほどよい「距離感(ディスタンス)」を計測中なのであった。
 
 先週末はバンドのリハに入ったり、友人のライブを観覧して過ごした。いずれのライブも大いに刺激される内容で、改めて自分も自分の新しい音楽にトライしたくなったのだった。
 

 
 バンドメンバーや久しぶりに再会した音楽を取り巻く友人たちと談笑したり、真面目に顔を突き合わせたりしながら、おかげ様で良き気分転換になったようで。
 ご機嫌でうっかり酒量が増えてしまった…なんて。ネガティブな時のお酒ほど、ふっとネガティブがよりブーストされがちな時もあるので、足元すくわれないように気を付けなくちゃね。
 このままアフター・コロナという流れに無事に乗れるのか…自分の周りでもここ最近というもの、つとに催しが増えてきて大変喜ばしいことではある。…けど逆に現実感が希薄で漠然とした不安感もあったりして。一方では、実のところもう少し巣ごもりしてたい自分もいたりして。
 
 最近ついに自宅で揚げ物に手を出してみたりして。常々スーパーで冷凍の白身魚とエビフライをよく目にしていたので気になってはいたのだが、いざ踏み切ってみると少なめ油でもカラッと美味しく揚がることが分かった。ひとえに製品のクオリイティが高いのだろう。揚げたてサクサクの衣とジューシーな魚介具材が、初夏の芋焼酎の水割りによく合うことと言ったら。
 がしかしウスターソースやマヨネーズのトッピング技術には今後大いに改善の余地を残した(お目汚しでゴメンなさい)。
 ところで、ここのところ我が家のガスコンロの調子が悪いようで、強火から→中弱火に変えることができなくなってしまい、不便を感じつつも騙し騙し使用しているのだった。そもそも現在の物件入居時に中古購入したものであったが、電池を変えたりすれば多少マシになったりするものだろうか?
 

 
 先週土曜朝の「ウィークエンド・サンシャイン」はTina Turnerの追悼特集がかかった。P.バラカン氏の当時英国住まいで、米国では今ひとつぱっとしなかった『River Deep-Mountain High』が、一方英国では大ヒットで毎日かかってた話とか、それがきっかけでRolling Stonesの前座が決まったりしていく話とかとか。エンディングはAl Greenのクラシック「Let's Stay Together」のカバーがかかった。 
 ちょっと前だけど、Wayne Shorter特集も聞き応えがあったな。氏の独自視点が感じられて良い。もはやコロナ禍をまたぐこの数年は土曜朝の定番的お楽しみメニューである。
 
 The Skatalites『Plus』(1969年)と『The Birth Of Ska』(1964年)を。
 『Plus』はオリジナル『The Skatalite』(1969年)の後年リイシュー作(と思われる)、『The Birth Of Ska』も元々のオリジナルはTreasure Isle Recordsからリリースのコンピの英Trojanからの再発盤で、後年1989年リイシュー作(と思われる)で、いずれも数年前にほんとレコードで中古盤を試聴してひと目惚れにて入手した盤だ。
 最高の時代の最高の面々による適温のスカ・ロックステディの綴れ織りを前に、ただただため息も枯れてしまうというものである。トロンボーン、トランペット、サックス…乾いた三管のアンサンブルの妙が心憎すぎる。
 

 

 リリース元のTreasure Isleは、その名の通り「宝島」そのもので、改めてリリース・タイトルも全部掘り出したくなるような魅力を宿している。
 何でもDuke Reid自身が元々キングストンで営んでいた「Treasure Isle Liquor Store」なるリカー・ショップに端を発したレーベルで、独自のナイスなサウンド・システムも有していたそうである。
 当時の空気をふんだんに吸い込んだローファイな録音もひたすら好みであるし、肝心の演奏もなかなかこの緩さとシャープさのバランスの妙は再現のしようがない領域である。
 
・The Skatalites - Carry-Go-Bring-Come 


It's better to seek a home in Mount Zion high
Instead of keeping oppression upon innocent man
Time will tell on you, you old Jezebel
How long shall the wicked reign over my people?
How long shall the wicked reign over my people?

 自分の肌に合うのはむしろゆったりした66~年産ロックステディかと思っていたのだが、ここ最近ラジオでTerry Hallの追悼特集を耳にしてからというもの、すっかりTerry HallやThe Specials(及び2 Tone Records関連)の作品を愛聴するようになってしまい、そんな流れもあって改めてアーリー60's Skaもここ最近よく聴くようになりつつある。
 この時期の音源はシングル盤でしかリリースされなかった作品も多いため、20年ほど前と違って例えばTrojan Recordsが編纂した便利なCD Box等ですらわざわざ揃えなくとも、現代であればサブスク等で手軽に楽しめたりするのだろうか? 思わず自分だけのお宝=1曲探しの旅にも出たくなるというものである。
 

 
 余談ではあるが、自分の世代で「Ska」と言うと、それこそ十代はOperation IvyとかSublimeなんかの「スカコア」なるパンクHCの流れを汲む音楽が支持されていて多分に漏れずCDを買ってたけど、何ならついでにその辺りのバンドまで久しぶりに聴き直したい気分である。
 
 色々とままならないこともあるけど、かけているだけでこの梅雨時期の鬱陶しさがぱっと晴れるような、Skatalitesの音楽の大らかさは改めて偉大である(かと思えばレゲエにおける歌詞って辛辣な体制批判だったりする点もクールで、パンクとの親和性が深い由縁でもあるのだろう)。
 
・The Skatalites - Eastern Standard Time

 

 金曜日のようで。
 相手に対してお互い敬意を払って、どうか平和なひと時を過ごしましょう。
 全人類恒久の課題である。