Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Afrique Victime

 さて金曜日の到来である。お暑い中を一週間お疲れ様なんでした。
 今週などは就寝時にも常時クーラーをオンしっぱなしでないと寝付けずで。28度設定にしておいても明け方ともなれば、今度は寒さで起きてしまう。
 皆達者でやってるかい? ということで当方ますます他人と会わないソロ・ライフを日々淡々と過ごしております。緊急事態宣言は明けて久しい京都であるが、個人的には生活パターンにさしたる変化のない日々である(と思ったらまたまん防だそうで…)。
 
 安くなっていた豚ブロック肉でチャーシューを仕込みつつ、外側を削った肉でもって姜葱醤とニンニクで下味をつけ生姜焼きっぽく焼いてみた。余っていたメンマと切り干し大根、ワカメはごま油と和えて中華風に。キュウリは塩して揉んだだけ。これまた余っていたカクテキを冷奴に無理やりオンしたものの、それぞれ別に頂くのでよかったのだった。ただしここ最近では市販のキムチもそのままやと味が濃く感じてしまいがちである。
 

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 Mdou Moctar『Afrique Victime』(2021年) 。
 昨日のLes Filles de Illighadadの同郷ニジェールのお兄さん的なバンドである…らしい。
 

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 バンドの素性については個人的にはDazed Magazineの記事を日本語訳したサイトが大変参考になった。それによるとバンドのリズム・ギタリストのAhmoudou Madassaneは実際にL. F. IllighadadのFatou Seidi Ghaliのご兄妹である、とのことである。Mdou Moctar本人の地元タホアでの日常生活や生業、出自に伴う政治や音楽観など大変興味深いエピソードも多い。
 Sahel Soundsからリリースされた初スタジオ録音作『Ilana (The Creator)』(2019年)を経て何とこのたび名門Matador Recordsから世界デビューという快挙でビックリさせてくれた。デザート・ロックといえばTinariwen辺りは今や大家であろうし(かつてキコリレコード今井氏に『Amassakoul』のCDを借りて最初に聴いた時はカッコよくてのけぞった)、Sublime Frequenciesが世界に向けて紹介してくれたGroup Doueh、Omar Souleyman(はアフリカでなくアラブやけど)…らの偉大なる先達の音楽がじわじわと認知されてきた流れもあるのだろうか?
 

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 レフティーで弾きまくりの胸がすくようなギターワークと砂埃を上げるようなストーナーサイケ・アンサンブルがまたぐっと胸熱くするものがある。やたらとジミヘンだVan Halenだののギターヒーローが引き合いに出されたりもするようだが、なるほど70’sハード・ロッキンな?アートワークもまた絶妙だ。クーラーのきいた部屋でこのレコードをかけながら頂くアイスコーヒーがまたひと際沁み入るのである。
 
・Mdou Moctar - Afrique Victime

 
Africa is a victim of so many crimes
If we stay silent it will be the end of us
Why is this happening? What is the reason behind this?
My brothers and sisters, tell me why is this happening?
 
 アルバム中のアコースティック・ナンバーの挿入も素晴らしかったのだが、Tiny Desk Concertで聴かせてくれるリラックスしたホームライブも内容が良く嬉しい。
 

 

 Sahel Soundsレーベル・オーナーであり映像作家のChristopher Kirkleyが監督したというMdou Moctar主演ドラマ「Akounak Tedalat Taha Tazoughai」(2015年)は何と「Purple Rain」(1984年)をセミオマージュした内容とのことで、こちらも機会があれば是非とも鑑賞したいものである。
 


 なるほどTrailer映像でもレザーに身を包んでPrinceよろしくバイクで町を滑走しておられる…。