Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Thing For You

 

 2024年新年明けまして、本年も何卒よろしくお願いします。

 今年の大晦日〜元旦は実家に帰省して、先ほどまで除夜の鐘の単調なビートの静かなる余韻にゆるり耳を傾けていた。
 
 昨年は実に色々あったな…ちょうど天中殺に当たっていたらしく。
 なので年が明けたとて果たしておめでたいのかな? かの地では、こうしてる今も戦争という名の理不尽な虐殺が続いているわけで。
 
 単純に年号が変わったとて、ふとノイズも差し込まれるけど。まずはこうして心身ともに健康をキープしており、日ごとの食事を美味しく頂けているだけで年々ありがたく感じてしまうお年頃である。
 とまれ本年も自他ともに健康で周囲の方々の笑顔が拝めるといいね。
 
 昨年を振り返るに、秋口にかけてMOON FACE BOYSの2nd作『VAMOSU』をリリースすることができたことは、本年最大の喜びと言えよう。引き続きお世話になった方々には感謝が尽きない。
 

 来年頭には、ありがたいことに縁あって12年に渡って居を構えた関西地方での出版記念ライブ開催のお誘いの声をかけて頂くこととなった。年始休暇の飲み過ぎはそこそこ控えつつ、ますます体調を万全に臨みたい所存である。
 
 改めて遠隔でバンドを継続していくことの難しさも感じている。一度ズレが生じ出すと、ギターのようにペグをミョーンと回して元通りってわけにはなかなかいかないのである。
 従来だったらすぐに面と向かって直接話し合いの場を持つなどして解決に向かえたのだけど。
 

 
 そう考えるとやっぱり遠距離恋愛におけるすれ違いとかなかなか難儀やね…なんてしたこともないのに知った風なことを考えたりして。
 カウリスマキ映画みたいにただ沈黙だけで雄弁に語り合えるのは理想ですけどね。
 
 とまれ今年も引き続き自分が少しくできること、やるべきことに対して黙々淡々と専心するばかりである。
 

 
 現在地点=東京の移ろいゆく風景の「良さ」を今さらながら改めて再発見している次第である。ゆっくり寄る辺もなくぶらぶら散歩する時間が嬉しい。
 例えばかつて学生時代から20代にかけて飯田橋はよく通った街のひとつであった。
 

 
 長年会員であった名画座ギンレイホールの灯も消えてしまってからというもの、自然と足が遠のいてしまったものであるが、久しぶりに駅前からかつての映画館跡地、神楽坂の上の方まで散歩してみたところ、何とも言えない気持ちになり、鼻の奥がツーンとなる感覚を覚えた。
 

 
 ギンレイホールに映画を観に出かけると、よく帰りに小腹を満たした川沿いの「えぞ松」神楽坂店も、去る2020年にすでに閉店してしまったようだ。
 もうあのホイコーローやチャーハンの味は2度と味わえないのかと思うと寂しい限りである。カウンター内での手際のよい仕事ぶりも見ていて気持ちの良いもので食欲を掻き立てられたものだった。
 

 

 永遠に存在するものなどないからこそ、こうしてある冬の散歩道が、一際生き生きとして感じられるのかもしれない。

 

 
 Alex Chilton Alex Chilton『From Memphis To New Orleans』(2019年)でも。
 

 

 昔から肌の合う大好きなシンガーによる80年代後半における録音のコンパイル作である。カバーも多めのシンプルなR&Bバンド編成に、ホーンセクションの賑やかしがゴキゲン至極である。Carla Thomas「B-a-b-y」に始まり、Charlie Richの「Lonely Weekend」で終わるサザンカントリー&ソウル趣味もまたたまらない。

 
・Alex Chilton - Thing For You

 

Yeah, babe, I've got a thing for you
You're the one I wanna give it to
Don't know what I'm gonna do
'Cause, baby, you've got me feelin' so blue
 
 オリジナル曲がまた真骨頂であり、何よりこのか細くてテンダーなA. Chiltonのボーカルの魅力たるやもはや野暮ったい言葉など一切いるまい…今宵も最高に沁み入るのであった。
 もちろん彼が70年代前半に率いたバンド=Big Starもかつて大好きなのだった。久しぶりにと…こちらも何年か前に入手した編集盤LPに針を落としてみたりして。シングルミックスが楽しめるのが嬉しい。
 

 
 2011年に享年59歳で鬼籍に入られてしまい、ついぞそのライブステージを拝める機会に恵まれなかったのはつくづく残念なことである。
 
 Vogueガールで毎週月曜日に更新されていた連載記事「しいたけ占い」…しばらくご無沙汰やったけど、知らないうちに独立サイトになってたのね。
 占いを嗜む某碧衣スイミング氏によると、あれは心理学であって決して占いではない、とのご意見も。
 どれどれひとつ来年の運勢でも占ってみますか…「最強の五歳児感覚」とは一体?
 

 
 相変わらず至りませんが、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。