Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

the Champion

 
 円安が止まらない。
 値上げに次ぐ値上げ、増税に次ぐ増税上がらない給料…私のような小市民はもはや這う這うの体なのである。
 レコードもあれよと高騰化する一方であり、主に形あるもので楽しむタイプのオールドスクールな音楽ファンには特にツラいご時世である。輸入盤が高価なのでなく日本人が貧乏なのであり、こうして文化もますます世界から遅れをとる一方なのだろう。
 
 つい先日久しぶりに乗車したまっつん氏の愛車=Vamosにも今やSpotifyが導入されており、アプリによるシャッフルミックスが自動再生されてはRCやらシナロケやスライダース、シオンなどがその小さな車体を震わせており、これはこれで便利かつ楽しかろうと感じた。…こういう形で昭和趣味がバレるのも何だか気恥ずかしいけど。
 
 天気の良い休日を見計らって自転車にまたがっては、今年もKYOTOGRAPHIEをサーキットしてきた。
 昨年はコロナの影響で開催が秋口に延期となったが、今年は例年通り春先の開催と相なった。
 

 
 クリスチャン→イスラム教徒へと改宗したイタリア系セネガル人=マイムーナ・ゲレージやiPhoneで撮影を行うガーナ人プリンス・ジャスィの作品などが個人的に特にグッときた。
 アーヴィング・ペンやイサベル・ムニョス×田中泯×山口源兵衛らのモノクロ作品もそれぞれにミニマルな展示で大変見応えあり。世界各地でのデモを報じた写真が一堂に会した世界報道写真展も、その国や歴史を超えたエネルギーの結集に思わず目頭が熱くなってしまった。
 
 引き続きのコロナ禍にあって今年もしばし越境予定はないけれど…こうして世界中の稀有な作品が、毎年おらがホームタウンに集まる祭典こそは貴重なことであると思う。
 

 
 春の訪れとともにここ2〜3年ヘビーユーズにて愛用していた土鍋に縦に大きな亀裂が入ってしまい泣く泣く廃棄することにした。
 自炊メニューも汁物が減って少しずつ春めいてきている。ガンモや鶏胸肉をお野菜とグリルしてみたり、タイやサーモンのお造りを頂いたり。相変わらず株付きナメコもお気に入りである。
 
 Willie Mitchell『That Driving Beat』(1986年)を。
 Hi! recordsに遺された様々な名作群においてプロデュース手腕を振るったことでもおなじみのWillie Mitchellのシングル編集盤である。
 

 
 確かその昔三鷹の旧シバタ邸で「W. Mitchellのサウンドはレゲエにも影響を与えたんだよね」って言いながら聴かされて以来…「ほんまかいな?」なんて言いながらも長年愛聴している。久しぶりに引っ張り出して聴いてるけど、やっぱりシンプルでソリッドでサイコーだな、こりゃ。改めてムダがないのにコシはあるっていう。
 
・Willie Mitchell - the Champion

 
 正に年明けに見た映画「ノーザン・ソウル」の舞台になったような、当時マンチェスターのディスコでイキイキとダンスしまくる若者たちが眩しい。途中ノーザンソウル・シーンを彩ったとされるソウルクラブ=Twisted Wheel、(Goldern?)Torch、(Wigan?)Casinoなんかの名前もテロップに登場する…ようだけど、あいにく個人的にはその辺りあんまり明るくないのである、モッズ・シーンとかね。
 とはいえ、やっぱり当時メンフィス産の Hi! recordsサウンドって海を渡って英国やジャマイカにも確実に届いてはそれぞれ独特の楽しまれ方をしていたようで興味深い。
 

 
 我ながらいよいよ時代に逆行してますけども…自分が楽しきゃいいんですよ。