Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Video Quartet

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 先週末は約2年ぶりの東京出張ついでに気候もよかったので、久しぶりに東京のイースト・ベイサイドをぶらっと散策してきた。
 早起きしてまずはと職場近くの燕湯で朝湯を浴びてからLapinでモーニングセットのチーズトーストとコーヒー、昼はデリーでカシミールカレー…と定番の三連コンボによる儀礼によって心身を清めた。
 
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 休日には実家にも寄るつもりでいたが、折しも母親の検査入院と重なってしまったので帰省はまた来年の機会に、ということになりまたもや郷里には帰れずじまいである。
 
 シバタ氏と落ち合って清澄白河東京都現代美術館で開催中の「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」展にも行けた。期待以上の質量に思わず胸がいっぱいになった。勝手ながらこれまでは一ターンテーブル奏者の印象が強かったのだが、これほどコラージュやビジュアル、インスタレーションに立体作品と手広く手がけて、しかもそのどれもが独創的であるアーティストとは思わなかった(失礼しました)。
 

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 ニューヨークを拠点とした長きに渡る活動歴を感じさせる、どこかジャンクでインダストリアルなオルタナティブ感覚は今となっては懐かしさも伴って、どこかポップにすら映った。経済社会から切り離されて今やゴミと化したようなありふれた素材を使用していることにも起因するのかもしれない。C. マークレーのアナログなリミックス感覚にはいずれもどこか音楽的なテンポ感を感じられて、しばし五感が心地よく刺激された貴重なひと時であった。
 せっかくなので新規開拓とばかり、サードウェーブコーヒー・チェーンの雄=ブルーボトルコーヒーにも立ち寄ってみた。水出しコーヒーのコールドブリューを頂いたが独特のクリアーさと酸味が絶妙でなかなかクセになる逸品であった。…全体になかなかのお値段ではあったけど(しかも2018年には京都にもオープンしてたみたい)。
 

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 その後上野で欧ツアー帰りのasuna氏とも久しぶりの再会を果たせた。shibata & asunaが久しぶりに揃う姿を再び見ることができて感無量である。引き続きコロナ禍におけるエアポケット的な時間となった。
 

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 清澄白河の投宿先でモーニングのクラムチャウダーセットを頂いた。気分はNY風だが思い切り深川の下町である。右手にスカイツリーを眺めながら…ああ久々の旅情かな。 
 

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・Christian Marclay - on Night Music

 
 TVショー「Night Music」(1989-1990)での演奏のひと幕と思われる。ちょうど先週末の「ウィークエンドサンシャイン」でJools Hollandなどがかかった際に、P. バラカン氏によって「Night Music」の説明が挟まれた。それによるとJ. HollandやDavid Sanbornがホストとして出演した音楽プログラム、エッジの利いたゲスト(Pharoah SandersPere Ubu、Ambitious Lovers、Sonic Youth等の名前も)が当時そこそこ話題であったらしいが、そのエッジゆえか残念ながら2シーズンほどで終了してしまったらしい。
 
・Christian Marclay - Video Quartet(#1)

 
・Christian Marclay - The Clock

 
 先の個展でも「Video Quartet」(2002年)という映像作品が個人的には特に圧巻であったが、こちら「The Clock」はその関連作といった風情であろうか。本来は映画やTV番組からのコラージュ素材をループさせて作られた24時間分のフィルム作品であるらしい。
 
 
 やはり東京という街にはいつでも尽きない新鮮さや愛着があり、またできるだけ近いうちにも足を運びたいものである。自分は今や関東人でも関西人でもない…などといった根無し草的な一抹の寂しさをふと覚えたりして。