Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Nothing More To Say

 

 なるべく寛容な社会が暮らしやすいと思うけど、それを実現するためには、まずお互いに対する「思いやり」こそが不可欠だと思う今日この頃。それには柔軟な想像力と多少の心の余裕が必要である、決して頑なな姿勢ではいけない…筈だけど。
 相変わらずどんよりとした曇天の下、低空飛行気味である。
 
 先週末はショウゾウ氏にお誘い頂いて大粒の泪でライブ演奏を敢行した。
 ライブをさせて頂くのは初めてだったのだけど、お店に常設されているオーナー佐藤氏によるアンプのコレクションが独自セレクトであり、大変興味深かった。
 個人的にも自宅で愛用、度々ライブにも持ち出している信頼の国産ブランド=Acetoneのアンプを目ざとく見つけてはFenderのリバーヴ・ユニットを乗せて頂いて。音響がツぃ~んといつになく好みで気持ち良く、自然演奏にも熱がこもったのだった。
 
 
 ex.ウンラヌのショウゾウ氏と柏木辿氏(お店の内装画及び今宵の催しのフライヤー画の作者でもある)による息の合ったサイケ・ロックも俄然ぐっとくるものがあったし、ZIN氏(ex. プリッツ)とKEI氏による2ピースも渋くて胸が高鳴った。
 特に事前の打ち合わせはなかったのだが、結果的には(自分達含めて)出演者全員から二プリッツのカバーが披露されて、今年3月に惜しくも逝去された燻裕理ことヒロシNA氏への追悼集会のような形になった。
 

 
 一般的なリハーサルスタジオやライブハウスでは、通常ジャズコーラスとマーシャルが常設されていることがあまりに多いため、その場合自分はジャズコーラスを選択することが多いのだが、実は個人的に好みのアンプではない。かような独自セレクションのアンプを常設しているだけで一目置いてしまう。大粒の泪は改めて、オーナーご夫妻のナイスなご趣味があちらこちらに伺えるナイスなスペースである(日中は「EVE」という名で古着屋営業をされている)。
 来たる8月26日にはソロ・ライブ予定も決まっており、今から楽しみである。
 

 

 ご機嫌なあまり、ついZIN氏と肩組んでしまった写真が出てきたりして…ハラハラしてしまうよ。優しい方で良かった、全く。

 開演前は、メンバーお揃いで久しぶりに喫茶ゆすらごにも伺えた。お正月から借りっぱなしになっていた漫画もようやく読み終わったものを返却できた。
 久しぶりにフムフムを囲んでしばし穏やかな時間が流れたのは良かったけど、うっかりかき氷をオーダーし忘れてしまったのだった。
 
 
 『華麗なるリベンジ』(2016年)、『別れる決心』(2022年)を見た。『華麗なるリベンジ』はファン・ジョンミン主演の収監もので、否応にも期待してしまっていたが、なかなか楽しめた。
 例によってよくお見かけするあんな顔、こんな顔の常連バイプレイヤーズ等が大挙して出演しており、それだけでも士気が上がるというものであるが、中でも『ミセン』でオ課長を好演していたイ・ソンミンがヒールを演じており、悪役ぶりにもなかなか趣きがあった。証人喚問に向かう道すがら刺されてしまうファン・ジョンミンが法廷に現れる際の歓喜たるや…もはやお約束だろうが、やはりこちらも心中スタンディング・オベーションである。
 

 
 ところで韓国映画においては、何故かジャージャー麺を食べるシーンが頻出であるが、ファン・ジョンミンの食し方もまた何とも豪快で、大いに食欲をそそられたのだった。あの真っ黒な色のぐちゃぐちゃしたソース? をまとった太麺を一気に啜り込むという…韓国に遊びに行ったら是非とも食してみたいものである。
 

 
 『別れる決心』は、いわゆるパク・チャヌク監督節というか…独自の視点や美学あふれる映像でもって、古典的な禁断の愛をテーマに、かくもミステリアスで魅力的な作品へと仕上げており楽しめたのだった。現実と想像が交錯していくイマジナティブな世界観に途中からちょっと集中力を欠いてしまって…後半は若干ながら見になってしまった。
 
 2匹入りの鯖のみりん干しが安かったので連日頂いてみる。片やフライパンで焼いたものは焦げを含めて香ばしくて美味しい。一方レンジ仕上げのものは脂が落ちてない分身がふっくらしてジューシーであり…どちらも良さがありなかなかどちらも捨て難しなのだった。
 
 
 自宅に白米を常備しなくなって以来、しばらくご無沙汰だった明太子も召喚…オー米にオンして久しぶりに頂いてみたけど、こりゃやっぱり美味しい。改めて国民食認定である。
 
 The Frightnrs『Nothing More To Say』(2016年)でも。

 こりゃ絶妙にええ塩梅の現行ロックステディ作で、今年になって入手してからというもの初夏にかけて愛聴している。

 


 ボーカルの Dan Kleinがこのアルバム完成直後の2016年にすでに急逝されているそうで、(昨年生前に吹き込まれた作品がかろうじてリリースされたものの)もはや新作が望めないのは残念なことである。
 Charles BradleyにThee Sacred Souls、The Sha La DasやNaomi Shelton…等々、個人的にDaptone Recordsのリリースによってこれまで出会ったアーティストの愛聴盤は少なくなかった。実に渋くて良質なソウル、R&Bをリリースを続ける信頼すべきレーベルであり、このFrightnrsもまた新たにお気に入りに加わったのだった。
 

 

 本作『Nothing More To Say』もまた佳曲揃いで、シンプルで潔い演奏とナチュラルな録音がアナログ・フォーマットにもよくマッチしており、今どきクラシックな…好みな音響である。
 MVからも窺えるように、NYのバンドでありながらこの簡潔さと緩さは貴重であり、同時にチカーノにも直結する都市のカルチャー臭もしてくる。
 
・The Frightnrs - Nothing More To Say

 

Nothing more to say
You always get your way
I don't want to fight
I'll be gone before tonight
 
・The Frightnrs - At Daptone, Live Recordiing made on 25/6/2015

 

 
 MVにも出てくるDaptone Recordsのスタジオでのレコーディング風景と思われる映像。紅いHarmonyを手にしているのは、界隈のバンドでもよくお見かけするThomas Brenneck(El Michels Affair, Menahan Street Band, The Budos Band, The Expressions etc...)のお姿だろうか?
 
・The Frightnrs - Sharon (Live @ Rockaway Beach 2012)

 
 シビれるね…。
 こういうバンドが、ローカルにおけるスモール・パーティを賑わせていただろうコロナ禍前夜のNYの街の風景は、やはり憧れるものがある。
 


 わわ、金曜日?
 各々のパーティを楽しんで下さい。