Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Do Nothing 

 
 相変わらずストーミーで、身体が重い日が続いている。早く梅雨が明けないものだろうか? 
 
 まっつん氏と2人でスタジオインした後に車を転がして洛中デートへと繰り出すこととなった。喫茶ゆすらご〜グランピエ丁子屋 で開催中の喜多村朋太の器展(popo)〜ほんとレコードを梯子してきた。
 
 ゆすらごのかき氷を頂いたり。爽やかな冷たさがマスクメロンの果肉入りシロップも相まって甘露である。8月27日にはゆすらごを会場に実に久しぶりに自主企画を催す運びに相なった。

 

 
 グランピエではキタさん氏の新作展示を楽しんできた。お土産にと手頃な湯呑みと茶碗を見繕って帰ってきた。湯呑みは以前展示で入手したものを愛用していたのだが、数年前にふとした時に落として割ってしまったのである。このプレーンながらも味わいのある形状と肌艶がたまらない。何とも飽きのこない使い勝手の良い実用的な品揃いである。
 キタさん氏作の茶碗に注がれた冷たいほうじ茶と、お茶受けの落雁を頂いて新作のことや近況を伺ったりするなど。展示は今週末まで、とのこと。
 

 

 
 ほんとレコードへはオーナー氏にビールのお土産を持参にて。我々の他にお客さんはおらず、ゆっくり談笑したり色々試聴させて頂いたり、ここ最近の個人的に傾倒しているスカ、ロックステディのオススメを聴かせて頂いたり。やはり何と言っても当時物の7インチで聴く音源がたまらないけど、そこそこお値段も張ってしまうため泣く泣く断念した。
 
 
 とは言え、まっつん氏ともども掘り出し物諸々をゲットできてホクホクなのだった。つくづくほんとレコードは良い品がお安く見つかる良店なのだった。
 
 冷凍食品であるが…そのクオリティの高さに開眼して以来、遂にこの度禁断の「とんかつ」にまで手を出すことになってしまった。自宅でもこんなに簡単に美味しく頂けるだなんて全く便利な時代である。揚げたてサクサクの揚げ物はそれだけで十分「美味し」なのである。料理人よろしくでザクザク包丁を入れる時の快感ね、お手軽な至福である。
 土曜日のお昼に揚げたてにウスターソースをダブダブ目にかけて芋焼酎水割りと頂いた。最近「とじないカツ丼」なる名前をよく目にする。食べたことはないけど、是非次回は自己流でトライしてみようかと思っている。
 

 
 The Specials『More Specials』(1980年)を。
 Key. 担当のJerry Dammersのプロデュースにより、ぐっとそのラウンジ趣味が反映されたと…昨年末にTerry Hallが亡くなった際のラジオの追悼特集でも紹介されていた2nd作。
 

 
 名曲だらけの1stも最高だけど、一方こちら2ndもリズムボックスを多用したりエキゾチックで立体的な音響もまた個人的には大変好みで愛聴している。
 白人と黒人の混色バンドであることでサウンドのバランスも絶妙に独特であるし、歌詞も含めて当時のパンクやレゲエやの流れも同時代的に汲んだUKルードボーイ・カルチャーの空気がプンプンである。
 そして何と言ってもTerry Hallのクールなボーカルの存在感、やっぱりこれに痺れてしまう。MVや映像を見ても無表情で動きに乏しいボーカル・スタイルがポスト・パンクでいとカッコ良きではないの。
 

 
 今さらながらSpecialsってこんなに格好いいバンドだったのだな…昨年末まで全然知らなかったよ。T. Hallのキャリアを追いかける形で、Fun Boy ThreeとかThe Colourfieldも素晴らしくて並行して楽しんでいる。…最もこの度追悼特集で初めてその格好良さに気が付くだなんて、全くモグリもいいところなのだけど。
 
The Specials - Do Nothing 

 
Each day I walk along this lonely street
Trying to find, find a future
New pair of shoes are on my feet
Cause fashion is my only culture
Nothing ever change, oh, no
 
The Specials - Stereotype

 
 とは言え勿論1stアルバム(1979年)は鉄壁のユース・アンセム揃いで1曲目からしてタマらない。Jerry Dammersの2トーンの鍵盤がお渋いし、Specialsの面々のお揃いのスーツは、(今さら自分などが言うまでもないけど)ビッと決まっている。…こりゃもう踊るしかなかろうて。
 
The Specials - A Message To You Rudy 

 

 
The Specials live in Japan 1980

 

 この『More Specials』が結果的にラスト・リリースだったことを考えると、同年夏の来日公演及びそのクリアーな映像記録もいかに貴重かに思える。しかも字幕付きである。単純にいちライブ・バンドとして実にカッコイイ(そればっかりだが…その言葉が似つかわしいのだ、実際)。
 
Enjoy yourself, it's later than you think
Enjoy yourself, while you're still in the pink
The years go by, as quickly as you wink
 
 新宿のカーニバルハウスでのジャパン・ツアー千秋楽であるせいか演奏も脂が乗っている。映像で見ると、改めて熱っぽいNeville StapleとクールなT. Hallのツインボーカルの陰陽コントラストも黄金バランスであるし、バックで静かに見守るようなRico Rodriguezのトロンボーンもいい味出しておりタマらない。T. Hallの白シャツのパンツイン・スタイルもなかなか堅気ではここまでサマにならないよってくらいよく似合っている。T. Hallってお洒落さんやったんやね。
 予定されていた中野サンプラザが「ダンス禁止」を食らってしまい、急遽会場がディスコへと変更されたそうで…アンコールの「Enjoy yourself」では当時80's 趣味な電飾がピカピカ点滅する中、ステージに招かれた若者たちがダンスに興じている姿が見える。
 
 1980年当時20歳で踊っていた若者も今や63歳か…。「it's later than you think」もさもありなん、ちょうどT. Hallも63歳の若さで鬼籍に入ってしまった。
 とは言え、こうしてSpecialsの格好良さに気が付くのに決して遅すぎることはないのである。
 
The Specials - Rat Race

 

Working for the rat race
You know you're wasting your time
Working for the rat race
You're no friend of mine

 

The Specials - Ghost Town


 
 Specials きってのお気に入り曲の大好きなMV2曲。
 いずれも当初オリジナル・アルバム未収録シングルである。その後「Rat Race」は即『More Specials』中の2曲目に堂々鎮座することになったらしく、多分に漏れず私の手元のLPにも収録されている。「Ghost Town」のシングルは前回のDJでもかけさせて頂いたり。
 
 え? もう金曜日? 命みぢかし…踊らにゃ損ソンのようで。