Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Don't Stop

 
 島から内地へ戻ってからというもの、あまり外出もせず日々慎ましやかに過ごしている。
 というのも先日職場の同僚が陽性となってしまった。
 周囲でもよく聞く経路だが、どうやらお子さんの発熱をきっかけに感染したらしい。土日の発祥であったため、幸いにも私は濃厚接触者には当たらず難を逃れた形となった。東京本社でも客先でも陽性者続出であり、もはや罹患していない方が不思議なくらいの勢いである。そのいずれも割と軽症状であったのは何よりであるが、10日間の自宅療養期間には皆一様に自宅でPCに向かってテレワーク対応をされておられたり…と少々の体調不良ではおちおち休めない困った時代の到来である。
 
 となればアマプラにて海外ドラマ三昧となるのは必定である。
 最近になって更新された「THE BOYS」のシーズン3、ちょっと前からになるけど「マーベラス・ミセス・メイゼル」もシーズン4まで、「ボッシュ全7シーズンもコンプリートした。いずれもアマゾンによるオリジナル・プログラムであるが、それぞれ見どころ多き魅力的な番組で、平日仕事を終えて夕飯を食べながらのリラックスタイムにも関わらず毎度消耗した。
 

 
 そして現在は「THIS IS US」のシーズン6を見進めているところである。…といっても、あれよとエピソード17まで来てしまった。シーズン16のエンディングでは聴き馴染みあるCinematic Orchestra往年の名曲「To Build A Home」がゆっくりと流れてきては思わず胸を熱くしてしまった。
 いよいよファイナルシーズンも佳境ということで、核心に近づくにつれて息もつけない緊張感ある展開が続いている。とにかく多難のピアソン家に幸あれ、と祈らずにはおれない。「物語は終わらない。私たちの結婚が終わっても物語は続くの。あなたもいつか分かる」 というセリフは、このあたかも「バックトゥザヒューチャー」よろしくな時系列を行ったり来たりするドラマの構成上だからこその妙な説得力があった…様々に張り巡らされた伏線はいよいよ収束に向かいつつある。
 

 
 他人はもちろんのこと、家族同士ですら互いに傷つけあってしまうのに、何故に人類はかくも愛を求め続けては家族を持とうとするのか? 愛情を求めるがゆえに生まれてしまう摩擦や衝突は人類の永遠の課題であり、その中にこそこのようなドラマがいくつも生まれ落ちるのだろう。自分はと言えば、相変わらずお気楽ではあるけど時折ふと淋しくも感じるのは、ここ最近実生活での人との関わり合いにめっきり乏しく、ドラマロスを起こしているからだろう…等とごちながら、今宵もひとりカウチに身を沈めるのだった。
  
 宮古島で自分のお土産用に購入したもずくを十分に塩抜きして頂いたり。自家製のキズシも良い酢加減であった。
 


 とりわけ昨日作った麻婆豆腐は出色の美味しさであった。
 麻婆豆腐自体は好きであるのだが、調理にもさほど時間がかからないけど、レシピ通りに作ろうとすると材料準備にあれやこれや時間がかかる傾向があり敬遠しがちであった。…がしかし先日土井善晴先生(ミシマ社プレゼンツ)の配信中で、日替わりの味噌汁を作る延長で有り物でチャチャっと作られる姿を拝見するにつけ、改めて「おいしくなくてよい」「適当でよいのだ」と思えてから気が楽になった。結果かくも簡単に自分好みの逸品に仕上がったのだから不思議である。…そして砂糖の量にも重大なポイントがあったことがわかったことも今回の収穫である。
 

 
 ところで旅先で舌がすっかり濃い味に慣れてしまったせいか、自炊しても無意識に塩分多めになってしまう傾向あり…なるべく意識的に減塩を心がけている次第である。
 
 Ish『Ish』(1979年)でも。
 マイアミはT.K. Records傘下のClouds LabelよりリリースされていたFoxyのリーダーIsmael "Angel" Ledesmaによるソロ作。Foxyよろしくなラテン・フィーリングもアリなパーティ・チューン群の軽みが現在の自分にはちょうど良い。
 NYのSam Records監修のコンピ盤を聴いていて、この曲の艶っぽい質感が好きになったのだけど、アルバムを通して聴いてみると意外とダサ…否イナたくて、当初こそガクッと来たものだったけど、今となっては妙に愛着が湧いてしまう所以でもある。
 
・Ish - Don't Stop

 
My heart is on the line yet it feels so good
You're under my skin, feel so close to you
So don't stop
Don't stop
 
 シングルVer.はアルバムに比べてやたらに長尺であるのが、この時代のディスコ12"シングル盤の必須条件であろう。
 Ish氏の眠たそうなファルセット目のボーカルが好きである。Sam Records諸作にも通じるような、ブラックカルチャーだけには収まり切らない未分化なノリにワクワクしてしまうし、折りしもニューウェーヴ前夜のファンキーが漲っているようにも感じられる。