Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Witchi Tai To

 去る2月の新月の日を境に気まぐれにスタートしたこのBlogであるが、今のところその存在を誰にも伝えていない、近しい友人にもバンドメイトにすら…。
 では自分は一体誰に向けて何を綴っているのだろう?
 
 午前中の京都は土砂降りの雨が降って気温も下がった。
 仕事から帰って夕食の支度をする。週明けの支度のお供は日曜昼に放送された「山下達郎のサンデーソングブック」を聞きながら、というのがもはや定番である。
 氏の物腰柔らかい語り口と、それに相反するようなミュージシャン視点からの頑固なまでの強いこだわり、何よりもオールディーズに対する深い造詣から繰り出される1時間のプログラムは毎週充実しており、新しい発見も多い。
 
 本日の献立はスタンダードな豚肉と根菜類のお鍋、温野菜に自家製ゴマドレッシングをオンしたもの、わかめとツナのサラダ。サラダは本日R氏のレシピを見て作ったもの。酢、ごま油、めんつゆ、ゴマを和えるだけで確かに秒殺である。
 最近ブロッコリが1株100円くらいでよく見かけるので嬉しい。
 

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 サンデーソングブックで大好きなナンバーEverything Is Everythingの「Witchi Tai To」がかかっていて思わずついつい火力も強くなってしまった。
 この曲はHarpers Bizarre のカバーでも有名とのことで、自分も多分にもれず、彼らのカバーで初めて耳にした口だが、
 特に思い入れがある「Witchi Tai To」は、自分の場合はグラスゴーのFuture Pilot A.K.A.のカバーVer.である。今聴くと原曲にかなり忠実な仕上がりである。
 というか上記曲含むアルバム『Tiny Waves, Mighty Sea』(2001年)は1枚の作品を通して大好きで、リリース当時に購入以来もはや長年の愛聴盤となった。
 

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 グラスゴー在住のインド人ミュージシャンSushil K. Dade氏のソロプロジェクトだが、レコードには様々な地元ゲストミュージシャンが参加しており賑やかである。
 氏の出自も色濃く出てか、シタールやラーガ、チャントのようなミニマル・アレンジの多用も目立つ。
 そのピースフルなアートワークの世界を体現するような、太陽の光を浴びた開放感の塊のようなソフトサイケが、寄せては返す波のように延々と繰り返されては一気に異国の船旅へと誘われる。
 一度レコードに針を落とせば、このままずっと終わってほしくない、といった旅情にもかられる1枚だ。
 

 
 当時同GeograohicからリリースされたBill Wells Trio『Incorrect Practice』(2000年)のLPと双璧でよく聴いたものである。一方こちらは夜にひとり静かに聴き入るのが最高に沁みる。
 

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 グラスゴーをベースにしたインディレーベル、Geograohicが日本のMaher Shalal Hash Bazの編集盤『From A Summer To Another Summer (An Egypt To Another Egypt) 』(2000年)をリリースした際には、その内容も含めて度肝を抜かれたものだった(こちらの話はまたの機会にでも)。
 初期Geograohicのリリースは、いずれもシンプルで謙虚なのに、各々独創的な音楽を制作しており大きな刺激を受けた。
 当時はミュージシャン間のフレンドシップもとても良いな、とも感じた。
 当時は同レーベルオーナーStephen Pastel氏率いるPastelsは1997年に『Illumination』という傑作をリリース、翌98年『Illuminatiリミックス盤も大いに愛聴していたので、個人的にも満を持してのレーベル設立のタイミングであったが、その大きな期待に200%で応えられた形であり、とても静かで新鮮な興奮が押し寄せたことを覚えている。