Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

100 Millions

 今日は3.11東日本大震災からちょうど10年目とのことだ。
 
 10年前は自分はまだ東京に住んでおり、3月11日の午後2時過ぎからは半蔵門の客先の11階ビルで打ち合わせ中であった。
 14時46分にかつて感じたことのない衝撃を感じた次の瞬間、ビルは大きく揺れて周りの机の上に積まれた書類やら書棚などが倒れた。
 大きな地震はしばらく続いてしばし呆然としてしまったことを覚えている。
 それからも余震は長く続いて、いつしか平衡感覚もおかしくなった。その夜は電車が全て止まってしまい、明け方になって復旧した電車でようやく家路に着いたことを思い出す。
 夜になっても一向に繋がらない電話、徒歩で家路を急ぐゾンビのような人々の群れ、東北での深刻な津波被害、福島第一原発の報道、TVでは狂ったように繰り返すACジャパンのCM、物資の買い占め…
 不安は不安を煽り、計画停電によってすっかり灯の消えた東京の街並みも人々も一様に暗澹たる状態はしばらく続いた。
 個人的に当時かろうじて心強かったのは、他ならない身近な友人たちとの安否の気遣い合いだけだった。
 時間が経つにつれて東北でのかつてない津波被害の痛ましさも明るみになった。
 あれから10年経っても原発問題は何一つ解決してはいない…文明が作り出した負の遺産であることをその存在をもって体現し続けている。 
 10年前は予想だにしなかったこのコロナ禍の混迷の時代に、改めて平和を祈念しつつ黙祷を捧げたい。
 
 昼夜の温度差に震え上がりながらも、シビ辛麻婆豆腐風鍋を仕込んだ。決め手は豆板醤、洋葱醤、花椒辣醤、五香粉など…業務スーパーオールスター勢ぞろいである。その安定して有能な仕事ぶりはさしずめ我が家における「アヴェンジャーズ」か「ザ・ボーイズ」の「セブン」か…。加えて今宵きくらげが名バイプレイヤーぶりを発揮しており「ちゅうかないぱねま!」ぶりを存分に堪能した。
 わかめとツナの秒殺和えには切り干し大根とこれまたきくらげを加えて食感を加えてみたところ、見事に功を奏した。
 食後に人に会う用事があったので、ちゃちゃっと作ったスピードメニューであったが、こういう方がゴツっとシンプルで美味しいのは一体どういうわけか?
 

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 舐達麻『GODBREATH BUDDHACESS』をば。
 イカつくてひたむきに悪くて?サイコー…けどワードセンスが刺さるし、特にDelta 9 Kidのリリックなどその描写の繊細さに思わずグッとくる。
 Green Assassin Dollar、7 Seeds両氏のトラックメイキングも詩情に溢れており素晴らしい出来栄えだと思う。NujabesリスペクトによるGigi Masin「Clouds」のサンプリングも◎である。
 

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 昨年意を決して彼らの自主レーベル「Aphrodite Gang」から直接通販にて購入した2枚のCDのうちの1枚。
 地元熊谷クルーの友人たちによって家内制手工業で運営されている、と聞いていたので大変失礼ながら、モクモクの煙い部屋で屈強な男たちが黙々と通販対応をしている事務所風景を想像してしまい、詐欺かボッタクリだったらどうしよう…と内心ブルっていたのだが、何の問題もなくCDは届けられた。ご丁寧にレーベルのステッカーも同封されていた。

・舐達麻 - 100 MILLIONS

イかれた歌を歌い 枝をつたい
1の位 10の位 100の位
更にFLY 止まってはくれない
例のスピードを超えるくらい
1000の位 10000の位 奥は暗い
超えてくライン 超えてくライン 
待ってはくれないタイム

 またメンバー個々の全身に彫られたタトゥーが美しくて惚れ惚れしてしまう。

 全てにおいて末期的なヒドい時代だが、こうして才気あふれる若衆が気勢を上げているうちはまだまだ大丈夫だ、とせめて前向きに考えたい。