Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Wallpaper Music

 夜中でも蒸し暑くなってきたので窓を開けて寝ているが、明け方には結構冷えたりもして一度起きて長袖のTシャツを着てまた就寝したりしている。一昨日は強い雨音に、つい昨夜は蚊にさされた痒みで連日眠りを遮られた。
 今年もそういう厄介な季節の到来であり、一度起きてしまってから上手に寝付けなくなった晩にはラジオが良き友となっている。「ダイアンのよなよな」とか、全然話の内容が入って来ないうちに寝入ってしまうようなテンションのちょうどいいサウンドがナイスである。何故だか長渕剛の渋めのナンバーばかりよくかかるし。
 

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 塩コショウしてニンニク醤油で漬け込んだ厚切りの豚ロース肉をソテーして和風生姜ソースを煮詰めたものを回しかけて頂いた。ハマチとタコを、水菜と大葉などを薬味に和風マリネ風にして、野菜とキノコの温野菜にはマヨネーズ、キャベツの塩もみなどと頂いた。 
 相変わらず平日のノンアルライフは継続中なのは我ながら喜ばしいことであるが、初夏ともなれば週末には出歩いては、ついつい友人と会うのを口実にお酒を頂き過ぎてしまうサイクルが出来つつあり何だかな(飲まなきゃええだけの話であるのだが)。
 そしてまたそんな週末の一杯の美味しいことよ。ついついもう一杯、いや二杯…となることはもはや必定なのだ。大人たるもの何事もほどほどでスマートに切り上げたいものである。
 
 Essendon Airport『Sonic Investigations (Of The Trivial)』(1980年)を。 
 『Can't Stop It! Australian Post-punk(V.A.)』の#1#2にも収録の個人的にも大好きなバンドである。同Chapter Musicから上記7インチシングルを含む編集盤CD『Sonic Investigations Of The Trivial』が2002年にリリースされており、かくいう私も最初にそちらを聴いて衝撃を受けた口である。リズムボックスを基調に展開するミニマルな宅録ラウンジ・ジャズファンクとでもいうのか…完全にワンアンドオンリーな 世界観であるが、国籍や時代感覚が歪むというか、当時2000年前後の現行音響ポストロックなんかと遜色ないモダンな感触を感じたものである。ともすれば簡素で起伏に欠ける向きもあるのかもしれないが、個人的にはその辺りがちょうどいいし、タイムレスに感じて愛着深い所以でもあると思う。
 

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 女性ボーカリストAnn Cessnaを迎えたナンバーも素敵やんだし、E. Airportの中枢メンバーであるDavid Chesworth の運営していたInnocent Recordsより自身のソロアルバムも当時リリースされており、こちらもシンセ色強めの内容で大好きである。今やC. Musicからの再発でそれぞれ気軽に楽しめることは大変喜ばしい。ポストパンク畑の出自とはいえこのオープンな人懐っこさは一部の人間の嗜好品にしておくにはあまりにもったいない。
 はたまた個人的には幸運にも、2009年渡豪時にGuy氏のご厚意により、上記E. Airportの貴重な7インチ盤を直々に進呈して戴くという僥倖に恵まれたのであるが…今となってはそれは自分の英語力のなさによる誤解であり、実は勝手にせしめてしまったのでないか? という不安と心配が10年越しに私を悩ませるのである。その後も怖くてその話題には触れられないでいたのだが、そうこうしている内に自分のバンドは活動休止を迎えてしまい、ひとえに自分の不義理故にGuy氏ともここ最近はすっかり疎遠になってしまった。
 いずれにしてもD. Chesworth氏の倉庫から直々に発掘されたデッドストックである同盤は、経年による多少の褪色は見られるものの、Innocent Records特有の手刷りと思しきシルクスクリーン印刷のアートワークが大変美しい逸品で、今でも我が家に伝わる舶来の名品として奥殿にうやうやしく鎮座している。
 その際2009年当時に次の再発を予定していると伺った、E. Airport唯一のフルアルバム『Palimpsest』(1982年)のデモ盤CD-Rも併せて戴いたのだが、これがまたサックスや生ドラムの起用もあり、よりバンド然としたファンキーでフィジカルな内容であり、その懐の深さにも大いにのけぞって何回も繰り返し聴いたものである。結局その後『Palimpsest』は、C. Musicの尽力によって2009年にライブ+レア音源との2枚組という形でなんか晴れて再発した。
 以来私の中で、このバンドのようなささやかながらも独自性あるレコードを創りたい、そして願わくばまたメルボルンの地を踏みたい、との願望が湧いてから早10年以上が経過してしまった。…そう考えると人生ってやっぱり短いものなのかもしれない。
 
・Essendon Airport - Wallpaper Music

 
・Essendon Airport (Feat. Ann Cessna) - Lost in Madagascar 

 
・Essendon Airport - The Science of Sound 

 
 Guy氏邸の貴重なVHSコレクションから色々と鑑賞させて頂いた豪ポストパンクのバンドのMVの手作り感にも感銘を受けたものであったが、今や軒並みYouTubeに上がっているのだな。
 ちなみに「Essendon Airport 」とはメルボルン郊外にある実在の空港の名前に由来、とのことである。
 ニュージーランドのFlying Nunのバンドも大好きだったけど、お隣のオーストラリアにも素晴らしいインディミュージックの土壌が脈々と存在するっていう話であった。