Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

100,000 Fireflies

 せっかく残りの夏季休暇を取得するも、時節柄まだまだ遠出の予定も立てられず。家でアマプラで「インビンシブル ~無敵のヒーロー~」と「モダン・ラブ」のシーズン2の一気見に興じるなどして過ごした。「インビンシブル」は「ボーイズ」よろしくでヒーローのダークサイドを描いたアニメーション作品。あっと驚く展開や描写などが魅力的な作品であった。しかしアニメとはいえこの振り切れた出血量たるや、全国のお子さんにも楽しんで見てもらえるんだろうか? 全く余計なお世話だが(…と思ったらR18+指定作品だった)。
 
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 「モダン・ラブ」はニューヨークタイムズ誌連載の人気コラムの実話をベースにしたオムニバス・ドラマで、今回もNYの街を舞台にした様々な人生模様の機微にじんわり一喜一憂した。さしずめNY版「人間交差点」といったところか。
 それにしても昨今のハリウッドを始めとするショウビズ界は、今やLGBTQ+への配慮なしに語れないといったムードが席巻しているな。殊更わざとらしく感じることもあるけど、これは良い風潮なのであって過渡期の現在ならではなのだろう。
 
 あいにく直近のライブ予定はすぐに立ち消えてしまったが、自宅でレコードを聴いたりギターをポロポロ弾いたりもして過ごしている。新曲が何曲か誕生しそうな予感にワクワクしながら断片をボイスメモを控えるなど。人前での演奏はいつまでたっても慣れないが、この自宅での制作時間はいつでも自分のペースで向き合えるので貴い時間である。
 
 金曜日は晴れたので散歩がてら平安蚤の市へ。古今東西の骨董にしばし心奪われる。これまでのところ骨董などに関しては趣味の範疇でなく、造詣も何もあったものではないが、あれこれ見て回っていると、それぞれに面構えも違っていて自分の好みのものが見つかったりしていつしか面白くなってくる。老後は陶器などの骨董蒐集の趣味も悪くないかもしれない。
 50'sな雰囲気のカーディガンが気に入ったのでつい衝動買いしてしまった。
 
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 休みの日はなるべく手をかけたくなくて、金平ゴボウを作り置くなどした。それにしてもゴボウは全くお通じの良き友であることよ。おからパウダーと鶏ムネ肉で作るハンバーグももはや慣れたものである。サンマもちらほら店頭で見かける季節となった。昨年はサンマが不作で身もやせておりガッカリであったがさて今年の秋はいかに? オー米による卵かけご飯もなかなかナイスであった。
 
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 The Magnetic Fields『100,000 Fireflies / Old Orchard Beach』(1991年)でも。
 先日Susan Anwayの訃報が舞い込んだ。最近こんな話ばかりで恐縮なのだが…パーキンソン病で享年70歳とのことであった。
 Magnetic Fieldsの初期作『Distant Plastic Trees』(1991年)、『The Wayward Bus』(1992年)などの名作群を彩ったリード・シンガーであった。「100,000 Fireflies」は『Distant〜』にも収録のナンバーである。
 

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 後にレギュラー起用されるClaudia Gonsonのボーカルもまた、Stephin Merrittの世界観にピースがパチッとハマった理想的なボーカルだけど、初期のSusan Anwayの素朴で飾り気ない歌声もまた捨てがたい。例えば職業歌手などには出しえない絶妙な美や味わいといったものがインディー作品にはしばしば存在するのだった。
 『Distant〜』、『The Wayward〜』はWeekend諸作アートワークにも地続きの、Wendy Smithによる牧歌的な風景画がまた、このオールディで箱庭的なシンセポップに不思議とマッチしている。
 一方この7インチシングルのドローイングは、当時Harriet Recordsのレーベル・メイトのLinda Smithによるもののようだが詳しい経緯はわからない。淡い光沢感に包まれたスリーブも気に入っており、多作なM. Fieldsの名曲群の中にあって、この曲もまたチカチカと慎ましやかに発光する珠玉の初期ナンバーだと思う。
 
・The Magnetic Fields - 100,000 Fireflies

 
I went out to the forest and caught
100,000 fireflies
As they ricochet round the room
They remind me of your starry eyes
I'm afraid of the dark without you close to me
 
 かつて愛聴した作品も今後はこういった形で振り返ることが増えるばかりなのか、と思うと何ともやり切れなくなるが…無情にも時間は刻々と過ぎて行くばかりなのであった。
 久しぶりに通して聴いてみたけど、作品の素晴らしさは今もって普遍的なものがあった。
 R.I.P. Susan Anway