Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

New Fast

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 仕事で忙しくしているうちにあれよ、と前回の更新から1週間が経過していた。どちらかと言えば最近は簡潔な文章が理想で、7行分くらいで十分なので小まめに更新できれば、とも思うが…そこは性分だろうか?
 
 先週末は1年ぶりの健康診断を受けた。朝一で出向いたのにも関わらずいつにない盛況ぶりで時間がかかった。見知らぬワーカー同士が一堂に会して、皆一様におそろいのオーバーサイズの館内着に身を包んではそれぞれの順番を待つ姿は、刑の執行を待つ囚人さながらである。朝の情報番組を尻目に、ボーっと行き交う人々の普段の仕事ぶりや家族構成、趣味などを想像してみたりするも毎度いとおかしな非日常的嗜みである。
 バリウムももう大分慣れたものだと思っていたが、週半ばになってもまだ一部残留していたようで…なるほど便通がまだ本調子でなかったわけである。
 
 週末はさわやかな秋晴れが気持ちよく、自転車に乗って京都dddギャラリーで開催中の「SURVIVE - EIKO ISHIOKA /石岡瑛子 デザインはサバイブできるか」を観覧してきた。
 
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 〜80年代にかけての広告文化華やかりし時代の、アートのように力強くて印象的な作品群にしばし圧倒された。加えてエントランス左右に(伏見稲荷の鳥居よろしく)貼り出されたインタビューの抜き出しや、館内に流れる晩年の録音テープなどを通して、石岡瑛子氏のデザイナー哲学が流れ込んでくるエネルギッシュな空間となっていた。色校に入れられたおびただしい赤字量からして並々ならぬ熱意が感じられて、いち製版屋としては戦々恐々ともするのだった。
 

 

 そのまま再開間もない喫茶ゆすらごへ。お茶の時間にちょっと顔を出すつもりが、久しぶりのあんな顔、こんな顔に遭遇してはつい話し込んでしまい…うっかり日付をまたぐ時間まで居座ってしまった。2人+2匹も健在で、久しぶりにオーナーセレクトによるグッドミュージックに身を委ねながらお酒を片手に楽しい時間を過ごしたが、翌日曜日はこれまた久しぶりの強烈な二日酔いでひねもす起き上がることができなかった。お酒もここ最近は週末しか飲みつけず、気がつけばすっかり弱くなったものである。

 

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 サバみそ煮は意外とこれまでは自分であまり作ったことなかったけど、ほっくり美味しくできた。半額のびんちょうまぐろも脂がよくノっておりシンプルなお造りがウマで、白菜、モヤシとちくわに適当に調味料を加えてチン、ナス、厚揚げ、鶏ひき肉なんかをめんつゆ、ごま油とチンしたこれまた適当時短メニューなんかと頂いた。
 

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 Aden『Black Cow』(1999)、秋らしいCDでも…と。Mark Robinson主催のTeenbeatリリースの毎年この季節になると聴きたくなってくる作品である。シカゴ大学の同窓生3人組によってスタートしたカレッジバンドの2nd作は、地味ながらもジェントルでウォームなアンサンブルが二日酔いの心身にもじんわり優しく沁み渡る好盤である。全編クリーントーンを基調にしたギターのコード感がまた好みである。
 

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・Aden - New Fast

 

Would you be dreaming of me  

I′m always dreaming for myself  

With hopes what you'd come by

 

 Teenbeat諸作はオーナーM. Robinson(Unrest、Air Miami)自身によるアートワークのデザインも特徴的で目を引いたものである。一方では初期Gastr Del SolやBells Ofなんかのシカゴ〜D.C.周辺のポスト・ハードコアバンドのリリースにも好感が持てたレーベルである。
 
 Adenは1997年発1stアルバムも好きで、こちらもふと聴きたくなる傑作だ(Teenbeatからのリリースではないけど)。7インチシングルはそんな初期に録音されたバンド唯一のアナログリリース作である。バンド名のミスプリントであろう…Adele辺りと間違えたのか? 上から貼られた白地の紙ステッカーが切なさを助長する。
 
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 かようなバンドももはや絶滅危惧種なのだろう…だからこそ余計聴きたくなるというものだが。今となってはそこはかとないネオアコ風情がまたイナたくて居心地良い。
 ちなみに『Black Cow』よりAdenに参加し始めたKevin Barkerはその後、VetiverやCurrituck Co.なんかでアメリカーナな音楽を志向し始めるが…他のメンバーは今はもう音楽やめちゃったのかしら?
 このバンドにしてもその後3rd作以降は失速の感あり、あまり熱心に聴かなくなってしまった。