Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Hit the city

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 先週はお仕事が忙しすぎてBlogの更新どころではなかった。そんな時に限ってイレギュラーやお急ぎ案件、謎の資料作成仕事まで舞い込んできたりして諸々遅れも生じたり…。ちょっともう満身創痍状態であった。
 
 ちなみにスズキジュンゾ氏は前回の投稿から間もなく意識が戻られたそうでひとまず安堵いたしました。まだまだ会話等は難しいようですが、いち早いご快復をお祈りしております。
 
 夕餉のお供に韓国ドラマをかけるのが、ここ最近の私のルーティンとなりつつある。ここ最近でもふと気がつけば「怪物」(2021年)「他人は地獄だ」(2019年)「ミセン-未生-」(2014年)などを一気見していた。いずれも毎回ドキドキハラハラしながらも目が離せない好内容であり、楽しい時間であるのだが、終始画面に釘付け状態になってしまうため、なかなかに肩が凝る時間でもあって悩ましいのだった。
 
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 特に「ミセン-未生-」は出色であり、かつて棋士を目指していた高卒のインターン生=チャン・グレ氏の挑戦や挫折、周囲の人間関係の機微なんかを描いた作品。サラリーマン社会における悲哀や葛藤、やりがい、それに対する個々の向き合い方なんかがヒリヒリ描かれており唸ってしまった。キャラクターも台本も魅力的で毎回終盤にさしかかるともう次回が気になっちゃうくらい。
 
 偶然にも本作の主演は「他人は地獄だ」でも主役を演じていたイム・シワンであった。表情には乏しいけどその分ミステリアスな魅力があって、内省的に何かを内に強く秘めるような演技が似つかわしい俳優であるように思う。個人的には特にキム・デヨン演じる先輩社員のキム・ドンシク代理の存在がお気に入りである。
 
 Prime Videoだけでも手一杯なのにNetflixなどに手を出したら、それこそ外出などしなくなってしまいそうで怖いよ、ぼか。
 
 おなじみ平日は毎日お鍋している。冷凍餃子とか豚バラをオンしたりして。コゴミが安くなっていたので救出してみたけど、春味の苦味と食感がなかなかに新鮮でいい買い物であった。
 自作のチャーシュー(ライクな一品)も簡単美味しい。ネギを投入すると臭みも消えるし全体が程よく調和する気がしている。
 
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 Mark Lanegan Band『Bubblegum』(2004年)を。
 つい先日Mark Laneganの訃報が飛び込んできて驚いた。まだまだ若かったはず…と思ったら享年57歳とのことでやっぱり早すぎて思わず呆然としてしまう。
 

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 SSTリリースのScreaming TreesやSub Popからの初ソロ作『The Winding Sheet』(1990年)をよく聴いたけど、個人的には何と言っても「Mark Lanegan Band」と銘打ってから初のグループ作であるこちらの作品に特に思い入れがある。
 
 その理由ははっきりしており、こちらの作品のリリース時期にちょうどMark Lanegan Bandのライブを実際に見たからである。
 当時自分はベルリン洋行中で、何か面白そうなライブはないかと物色していたところ、こちらのアメリカのシンガーの欧州ツアーの一興行がアンテナに引っかかった由である(本音を申せば、当時世界的に盛り上がりを見せていたドイツの電子音楽家のライブなんかを本場で聴いてみたかったのだけど…これが全然開催されていないor見つけられなかったのである)。
 
 例えばTom WaitsやNick Cave、Stoogesなんかも彷彿させるような、持ち前の渋いしわがれ声でザラリと歌われたダークなR&Rナンバーの数々が最高にカッコよくてシビレたものだった。
 Mark Laneganは終始マイク1本を前に立ちボーカルスタイルだったけど、手持ち無沙汰感は皆無で堂々たる風格であった。会場は小さ目のバー然としたベニューで観客層もバイカーみたいなイカつい酔客が野太い歓声を上げていたことが思い出される。
 
・Mark Lanegan - Hit the city


Ghost arrives at its bitter end 
To the promised land and the dark descents 
I'm bad alone, burned inside out 
Nothing to kill it 
I hit the city
 
 その終演後にタクシーで夜のアウトバーンを走っていた折に、車内のラジオからふいにこのPJ Harveyとのデュエットナンバーが流れてきて…その時の光景がチープなカーステを震わすR&Rと一緒に脳裏に焼き付いている。
 余談だけどタクシーを運転していたのも、これまた「グロリア」のジーナ・ローランズを彷彿させる年配の女性ドライバーであり、そのカッコいい横顔も久しぶりに思い出している(もはや大分朧げにもなってきたけど)。
 そのしわがれ声もキャリアを増してますます深みが増すと期待していただけに残念である。
 

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R.I.P. Mark Lanegan
 
 先週後半からずっと頭の中がかき曇ったままである。
 1日も早くウクライナに、私たちの世界に平和が戻りますように。
 この21世紀において、こんな一部時代錯誤な輩によるルール無用の蛮行がまかり通っていいはずがない、罪のない多くの市民が犠牲となってよい筈がないのだから。
 終始ソワソワするけど無力感が募るばかりで何も出来ず、週末に何とも寄る辺ない気持ちになり思わず久しぶりにTwitterを開いて書きつけた投稿は「戦×争×絶×対×反×対。」の1行であった。

 もちろんそれがきっかけで何かが変わるわけでもないことなど重々承知の上ではあるけど、ありふれた市民が望むありふれた抗議が世界中でどんどん増えて膨れ上がれば、局面が少しずつでも変わると思いたい。それこそがワールドワイドウェブに巣食うSNSの意義ではないのか? なんても思うので、この場合は実際ありふれた烏合の衆で上等なのである。
 案の定色々な意見が横行してあちこちで新しい「分断」も生まれるのが常のようで…。

 全く年明け早々最悪の悪夢を見ているようである。