Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Apocalypse

 

 今年も早いもので大晦日である。

 どこぞより鐘の音の低音のリヴァーブが我が家にも厳かに漏れ届いている。

 

 高齢の母の要望により、今年の正月も実家には帰省しないこととなった。

 母は近年厄介な肺結核を慢性的に患っており…11月には喀血したそうで久しぶりに顔を見たかったのだけど。幸い電話口の声は元気そうで少しばかり安堵した(かったとも言える)。

 実家には近くに妹が付いてくれているので、いざという時は安心なのだけど。母のこともすっかり妹に任せっきりで、感謝とともに年々申し訳なさも募る。

 兄妹ふたり揃って未だに未婚を貫いているのは、幼い頃より親の不仲を見てきたせいなのだろうか? ついぞこの歳まであまり結婚に対しても希望やリアリティみたいなものを持てないまま来てしまった。

 自分に至っては十代の終わりに実家を出て以来、放蕩を尽くしては本当に長男らしいことも未だに何ひとつ出来ていない、全く親不孝な息子が私である。今年もせいぜいお中元とお歳暮を贈ることくらいしか出来なかったな。

 来年はもう少しだけでも何某か親孝行出来たらいいね、とぞ思う年の瀬である。

 

 大晦日の本日はおせちの準備をしながら、年越しそばをひとり分茹でて頂くなど。

 

 

 家そばに関しては、自分は完全に乾麵派である。つゆと一緒に温める前に水でしめるとぐっとコシや弾力性が増して美味しくなる…気がする。山梨産はくばくさんの乱切りの乾麺はスーパーなどでもお買い求めやすくて美味しい。1年に1度年末くらいしか茹でないけどね、家そばってば。

 

 Cigarettes After Sex『Cigarettes After Sex』(2017年)を。

 今年YouTubeで流れてきて偶然知ったバンドだったけど、シンプルで潔くて自分好みである。

 

 

 ギターもクリーントーンのみ(リヴァーブはかけてるけど)、コーラスや客演もなし、終始スロー&ミッドテンポなナンバーを演奏する3ピースバンド。

 

・Cigarettes After Sex - Apocalypse

 

Got the music in you, baby
Tell me why
Got the music in you, baby
Tell me why
You've been locked in here forever
And you just can't say goodbye

 

 アートワークも全てモノクロに統一する、といった世界観の徹底のしようである。最初に耳にした時はてっきり女性が歌っているのかと思ったくらい…アンニュイで中性的なボーカルも印象的だ、まずもってちょいとスキャンダラスなバンド名からして。

 

 

 2019年に2nd作が出たらしいけど、個人的には1stの方が好みだ。常々いいね、と思った現行のアーティストにはなるべく還元したいと思っているのでレコードなぞを取り寄せたところ、プレスが甘くて新品にも関わらず、チリノイズだの音飛びだの…ちょっと反ってるし、諸々近年稀に見る至らなさである。今どきCDならぐっとお安く入手できたものを。やれやれだけど、別にまぁいいか…という諦めの心境でもある。そもそもアナログ・メディアに完璧さなど求めてはいけないのだろう。

 

 今年も引き続き在宅時間が多かったせいか、色々な音楽がゆるりじっくり聴けて、何だかんだでじんわりと幸せを感じている。

 欲を言えばもう少しバンドのライブが出来たら嬉しかったけど。来春はMoon Face Boysの2ndアルバムもリリースできる予定であり、ライブの場も増えて多方面の方々にお目にかかれると大変ありがたいことである。

 

 

 世情は引き続き不穏だけど、来年も皆々様にとって健康で充実したピースな1年となりますように。どうか良いお年をお迎え下さい。

 ちなみにそばの花言葉って「恋人」らしいよ(ドラマ「トッケビ」より)。