Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

パインカット

 珍しく立派なハマチを入手できたのでシンプルにお造りに、白菜と厚揚げの煮びたし、生野菜とキクラゲの五目巾着にはチリソースをかけて頂いた。厚切りのハマチを大口を開けて頂けば、その歯ごたえと脂の乗り具合に悶絶であった。
 

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 碧衣スイミング&ミノルタナカ『オーバーオーバー』(2021年)を聴かねば。…ということで、とても楽しみに予約してた1作がついに手元に届いた。
 GOFISHの新作同様に、楽しみのあまり事前の試聴は一切シャットアウトしたほどである。碧衣スイミングとタナカという私的2大スターの競演である。アクの強い個性のぶつかり合いなだけに一体どうなるんやろ? と期待と不安が入り混じった気持ちでおったが…こんなん出た〜。というわけで1曲目のアップビートなナンバー「パインカット」の2人の息の合った掛け合いからめちゃカッコイイやないですか、コレは。
 

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 「餃子」、「ポタージュ」なんかのラブソングも新機軸でほろっとくるし、タナカ氏と碧衣氏の(唯一)共作ペンによる「あの海」の空虚さにポツーンとなったり、ten tote氏のアレンジがキラキラ光る名ナンバー「文字」を挟んで、後半に迎える「砂丘」で多幸感がじんわりとあふれ出る。
 個人的には碧衣氏とかつてご一緒した在りし日の鳥取砂丘の急斜面が思わずフラッシュバックしてしまう。コロナ明けには是非ともライブ会場で「T・O・TTO・TO・RI」の下りを皆衆でフロアにてシンガロングしたいものである。
 そしてラストナンバー「ペーパードライバー」へ…まだ見ぬネクストへとつながるようなワクワク感があり→ついついまた1曲目に戻ってはリピートしてしまう次第である。
 てんしんくん画伯によるソーキュートなアートワークも、今回どちらかというと碧衣スイミング氏による才気と気迫みなぎるペンが多めで、タジタジなタナカ氏との関係性が勝手に想像され、その辺りがよく表現されているように感じるな。実際にはリモート環境下にてタナカ氏の送ったトラック上に、碧衣氏が歌詞を乗せていく、といった共同制作が主軸のようなのですが。いずれにせよ1枚の作品からこうしてお2人の掛け合いの妙が聴けるのは大変ハッピーなことである。
 はたまた金沢からはASUNA氏&小豆沢氏のタッグによるミキシングがまた作品のアウトラインをブライトに際立たせており、全体にカラリとポップに仕上がっていると感じた次第である。これは是非ともラジオヒットでもピッと飛ばして多くの人に届いてほしい作品かと思う。
 引き続きコロナ禍中の閉塞感ではあるが…愛すべきSweet Dreams Pressがまた勇気がわいてくるようなポジティブな編集&出版をしてくれた。完成おめでとうございます、パチパチ。
 
・碧衣スイミング&ミノルタナカ - パインカット

 
 パイナップルを切ってくれよ そろそろそんな時間
 そろそろパイナップルを カットする時間
 あるがままに切ろう わがままに切ろう