Boys Tree

MOON FACE BOYS, mono tone boy, Go to Bed! Records

Silver Train

 ついに大阪でも感染者数3,000人超だそうで。
 この終始決定打に欠けるぼんやりとした感染予防対策のおぼつかなさは、もはや自民党維新ライン主導の政策による人災と言えはしないだろうか。
 オリンピックだの万博だの言ってる場合じゃないでしょう。結局は某音楽フェスの民間開催決行にも直結してしまっており。某ダイヤモンド・プリンセス号の舵取り以来、一貫して沈みゆく泥舟に乗り続けている気分で、もはや溜め息も出てこない。そもそも医療現場をせっせと縮小し続けてきたのも他ならぬ彼らであるし。
 次回選挙こそは、いよいよ国民の声に真摯に向き合ってくれるような方を選出すべきなんじゃないでしょうか?(そんなヤツおるか?)
 
 されど腹は減る、ということで。ブリのお造りには、白ネギ、大葉やミョウガの甘酢漬けを添えるなど薬味多めにて、大葉にアオサやミョウガを混ぜ込んだオー米(オートミール米化)、ピーマンをごま油とめんつゆとチンしたの、シイタケと温野菜などなど。
 

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 The Rolling Stones『Goats Head Soup』(1973年)を。
 遅ればせながらCharlie Watts追悼ということで。享年80歳とは、先述のLee Perryよりも年下だったのにもちょっと驚いた。
 

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 Mick JaggerやKeith Richardsみたいなワイルド&タフなシャイニービースト達の中にあって、ひとり控えめで落ち着いた佇まいが逆に魅力的なCharlie Wattsが遂に鬼籍に入ってしまわれた。ジャズをこよなく愛し、そのレギュラーグリップから繰り出されるシンプルなドラム・スタイルこそが、R. Stonesというバンドを特別たらしめる重要な屋台骨であったと改めて思う。
 晩年の英国紳士を地でいくような、仕立ての良さそうなスーツに身を包んだロマンスグレーのオールバック・スタイルの仕上がりっぷりなども、全中年にカッコよく年齢を重ねる希望を与えてくれた(?)。
 あくまでも自身のスタイルを貫いたCharlie Wattsこそが素敵やし、そのスタイルをリスペクトしてチームを組み続けたM. JaggerやK. Richardsも改めて素敵やんと思う。
 
 邦題『山羊の頭のスープ』は、傑作であり大作『メインストリートのならず者』直後の作品ということもあり、R. Stonesのその輝かしいディスコグラフィの中でも割と地味なアルバムに位置するのだろうか? この禍々しいアートワークからしてウォーホルのポップアートとは違って何だかとっつきにくいし。
 そもそも自分は決して熱心なR. Stonesファンとは言えなかった。例えばVelvet UndergroundNeil Youngといった人たちと違って、自分にとってあまり親密な音楽に感じなかったのがその理由だろうか? いかにもな華々しいロックスター的立ち居振る舞いであったり…。今ならばその辺りも面白いとも思えるし、加えてブラックミュージックが好きになればこそ、今一度気になりだすのも時代毎のR. Stonesの音楽の変遷だとも思う。
 そんな距離感でもって嗜んでいるR. Stonesというバンドだが、本日の気まぐれメニューは『山羊の頭のスープ』である(ちなみに私が最初にリアルタイムで買ったアルバムは『Voodoo Lounge(1994年)』であり、今なお愛着ある1枚だ)。
 
 本作はジャマイカキングストンでの録音とのことだが、特にレゲエにかぶれたサウンドにはなっていない。むしろ当時のソウル・ファンクにもろに接近した「100 Years Ago」や「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) 」のような曲がカッコイイ。その中にあってもC. Wattsのドラムは涼しい顔の平常運転といった感じで浮き足立っている節も特にない。Keithの歌う「Coming Down Again」や「Angie」「Winter 」なんかのスロー・ナンバーもナイスやし、もろChuck BerryなルーツR&B的小品「Star Star」で〆るのがさっぱり後味でまた乙な1枚である。
 
 C. Wattsのドラミングをメインディッシュに楽しみたい本日は、特にこちらのワンリフ×8ビートで押し通す潔いナンバーでも。
 
The Rolling Stones - Silver Train

 
Silver train is runnin'
Think I'm gonna get on now, oh, yeah
Silver train is comin'
Think I'm gonna get on now, oh, yeah
 
 シングル「悲しみのアンジー」B面曲の「Silver Train」。売春婦とイチャつきたい、という内容を何だかカッコよさげに歌っただけの曲といえばそれまでだが。
 シンプルなR&Rナンバーだけに軽み&弾みのあるCharlieのクールなビートが堪能できて最高である。個人的には奇しくも同時代のKlaus Dingerのハンマービートまで思い出してしまうミニマル加減で、スタイルは違えどMaureen Tuckerなんかにも通じる欲のなさが改めて好みである。
 ちなみにこの曲と次曲「Hide Your Love」のみ『スティッキー・フィンガーズ』(1970年)録音時から繰り越された素材のようで。
 余談だが、リリース時にビルボード1位に輝いた「悲しみのアンジー」を翌週に破って2週連続1位に躍り出たのが、先述のGladys Knight & The Pips「夜汽車よ! ジョージアへ」であったという。
 
The Rolling Stones - Dancing With Mr D

 
 アルバムのオープニングを飾るは墓場で「Mr D」とダンスするナンバー。ちなみに「D」とは=「Devil(Death)」を指すようで。イントロのKeithの眠たいギターリフの立ち上がりからCharlieのハイハットのフィルインと硬めのタイトビートの刻みが大変クールである。こんな簡潔な曲にもバンドの良さが出てると思う。
 
 R. Stonesというバンドにとってはもちろん、引いてはR&R史におけるCharlie Wattsの静かなる存在感の大きさに改めて敬意を表したい。
 
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 R.I.P. Charlie Watts(1941-2021)